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2005.1.19 |
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磁気テープ規格は並存できるか…2004年12月に、IBM Almaden研究所が100TBのデータ・カートリッジテープ実現に向け奮闘しているとのニュースが突然流れた。(1)一瞬、100TBという巨大な数字に仰天するが、よく考えれば、驚くような話ではない。 磁気記録は高密度化の道を邁進しており、競争は激しい。どの企業もロードマップに応じて、新製品を投入しているのである。 IBMが2004年末に上市した最新デバイスのカートリッジテープは400GB。(2) これに対して、100TBは250倍にあたるから驚異的に聞こえるだけの話である。 例えば、1年で2倍のスピードで高密度化すれば、8年後には256倍になる。これでは余りに速すぎるかもしれないが、本格的な開発競争の結果とは、そんなものである。 今や伝説的存在の3M製初代テープメディアの容量は、確か1.4MBだった。これが、1953年(3)だから、3年で容量2倍程度のスピードというのが、現実かもしれないが。 もっとも、10.5インチもの大きなリールに替えて、ほぼ1/4のカートリッジを使う装置(IBM3480磁気テープ・サブシステム。(4))が登場したのは1984年と比較的新しい。ここから先、製品競争が激しくなったと見た方がよいだろう。 と言うより、コンピュータ・ダウンサイジングの時代に入って、誰でもすぐに使える簡便大容量メディアが必要になったため、状況が変わったと考えるべきだろうが。 ともあれ、現在、IBMは、カートリッジテープの容量を100GB、200GB、400GBと順に増強してきている。 そして、さらに、次の800GBの開発へと進む訳だ。(5) しかし、今後も同じような体制で研究開発を続けるつもりなのだろうか。 ・・・と考えてしまうのは、テープの位置付けが変わりつつあるからだ。 安価な光ディスクメディアが登場しており、小型単体機器のデータバックアップ用途では、テープメディアは敬遠される。 一方、企業のデータバックアップでは、相変わらずテープが基本だ。とはいえ、ネットワーク化が進んでおり、機器毎の対応から一括対応に変わりつつある。このため、使用する装置の台数やテープ量が増えていく状況とは言い難い。 オープンリールや磁気ディスケットが消滅しつつあるからといって、カートリッジテープ市場は安泰とは言い難いのである。 つまり、カートリッジテープ容量増大の研究開発投資がペイするかは不透明、ということに他ならない。 とはいえ、現実の世界に戻れば、開発競争に負ければ市場からの退出を余儀なくされかねないから、高密度化の研究開発は止められない状況だろう。 しかし、この先、何社もが、100TBを目指して、膨大な費用がかかる研究開発を続けることができるものだろうか。 ちなみに、この世界は規格乱立状態が続いている。 昔に比べれば、かなり整理されたとはいえ、今でも3つ(6)ある。 IBMは、HPとCertance(旧Seagate、Quantumが買収オファー(7))の3社で決めたメタル・パーティクルテープを用いたLTO(Ultrium)規格を推進している。容量とデータ転送速度で先を走ることで市場の主流化を図っていると言える。 (2004年12月14日、薄膜テープの1.6/3.2/6.4TBのロードマップが発表された。(8)) 競争相手はDLT/SuperDLT規格[Quantum]だ。DLT規格は、もともとがミニコン用だったので、信頼されており、互換性を維持してきたため、標準的な存在である。当然ながら、110GB、160GB、320GB、640GB、1.2TBとLTO規格対抗のロードマップに合わせて開発を進めている。 さらに、こうしたリニアスキャン方式とは異なる、家電ビデオ記録同様のヘッド回転によるヘリカルスキャン方式も存在している。AIT/S-AIT規格[ソニー]だ。こちらも、100GB/200GBを実現している。新製品開発には極めて積極的である。(9) こうした状況を見ていると、心配になる。 いくら顧客が持つ過去の資産に対応しながら、次世代大容量品を開発する必要があるといっても、3規格並立競争の意義は薄いように感じるからだ。 メディアはナノテク領域に入ったから、これから研究開発費は益々嵩むだろう。しかも、新メディアに合わせて、システム、装置、ドライブのすべてを対応させる必要がある。3規格の並行開発では、業界全体の負担は余りに重すぎると思う。 ・・・格段の利点が訴求できるなら別だが、特定ベンダー規格は将来像が問われるのではなかろうか。 --- 参照 --- (1) http://computerworld.com/hardwaretopics/storage/story/0,10801,98354,00.html (2) http://www-6.ibm.com/jp/storage/products/tape/lto/cartridge.html (3) http://www-6.ibm.com/jp/event/museum/rekishi/mt.html (4) http://www-6.ibm.com/jp/event/museum/rekishi/3480.html (5) http://www-6.ibm.com/jp/storage/products/tape/lto/cartridge.html (6) 正確には、容量20GB程度の規格もまだ使われている。 オーデイオのDAT技術を転用したDDS規格[ソニー/HP/旧Seagate]と、8mmテープである。 (7) http://www.certance.com/news-info/newsreleases/2004/Quantum_to_offer_unparalleled_ra/ (8) http://www.lto-technology.com/newsite/html/news_12_14_04.html マップ http://www.ultrium.com/newsite/html/roadmap2.htm (9) http://www.sony.jp/products/Professional/DataArchive/news/newturbo.html デファクトスタンダードの目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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