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2000.8.26 |
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研究重点化政策の陥穽…ゲノム関連の研究促進政策が打ち出されており、突然の「予算バブル」が訪れた研究室も多い。「お金はあっても、研究者が変わる訳ではないから、使い切れない機械をとりあえず購入することになるよ」と、やっかみ半分の声が、バブルの恩恵に浴しない隣接研究室から聞こえてくる。 残念ながら、この批判はかなり当たっているようだ。 というのは、目新しい挑戦的な研究活動が始まっているようには見えないからだ。 このままなら、従来の延長か、先を進む研究者のやり方を学ぶだけで、予算を消化してしまうだろう。もちろん、それなりに絞り込んだ領域があるから、その範囲では質の高いアウトプットが得られよう。しかし、その程度でかまわないのか? 声は出さないが、このままではジリ貧は免れまいと考える人も少なくない。というのは、ゲノム解明で活躍した研究者の一部から批判的言辞があがったからだ。 「理解しにくい重点化が進んでいる。」と見る人がいるなら、予算配分が戦略的でない可能性は高い。 もしかすると、「優秀な研究者」に「重点資源投入」することを、戦略的な動きと考えているのではないか。そうだとすると、戦略的失敗の危険は高い。 例えば、5割増額予算を100箇所に配賦する場合、以下の3つのやり方がある。目的がわからない状態で、どの配分方法が「戦略的」なのか議論などできまい。重点投下したからといって、戦略的であるとは限らないのだ。 ・全体底上げ型 ---- 100箇所5割増 ・2割に重点投下 --- 90箇所同額+20箇所3倍 ・1箇所に集中 ----- 99箇所同額+1箇所51倍 資源を投入して、なにを実現したいのかによって、ベスト施策は変わる。「重点投入」で効率悪化が予想される場合さえある。 要は、「なにを実現したいのか」である。---画期的なアイデアなのか?遅れているデータの収集なのか?・・・ 国家的な基盤という視点で考えるなら、ゲノム研究の場合、「まずは」情報処理技術を利用した研究効率の飛躍的向上を目指すべきではないだろうか。 これなくしては、どうにもならないと思う。 従来方式の実験型研究活動を徹底的に強化して、アウトプットを倍増させても一過性の先頭しか得られまい。できる限り処女地を対象として、徹底的に頑張ったとしても、所詮は後追い技術での挑戦である。「残り物に福」の可能性は低かろう。 といって、オリジナルな方式を進めて、先んじる可能性を追求しても、事態はたいしてかわらないかもしれない。有望と思えば、後から来る競争相手は、アウトプット1000倍の実験方法開発で挑戦してくるだろう。挑戦者のスピードが優れば、一生懸命実験した結果も、無駄に終わりかねない。 高効率実験の仕組みをつくり、豊富な実験結果を出せる方法論を開発しない限り、研究の「最先端」に踊り出ることは困難だ。 このような技術開発を狙うのなら、拠点集中化が最善といえよう。ところが、現在の重点化施策は、こうした拠点構築を狙うものではなさそうだ。 ゲノムの時代の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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