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「e-ビジネス」の時代
ネット取引の約束事
2003.11.15
2003年10月31日、有力インターネット販売サイトで、商品価格198,000円を19,800円と表示したため、アクセスが殺到した。
販売者は「お詫びとお知らせ」で価格登録間違いと発表した。
(http://www.marubeni-direct.co.jp/)
このため、一時、日本のネット取引の信用性が揺らぎかねない事態に至った。
といっても、ミス発生の話しではない。
ミスはどこでも発生するからだ。
どの企業も、リスクとコストを考慮した、ミス防止の仕組みを持っており、仕組みの巧拙は個別企業の問題である。ミスがあったからといって、ネット取引全体のの信用性が失われることはないと思う。
しかし、このミスは他とは違った。ミス後の対応で問題が大きくなったのである。
報道によれば、この企業は、「単純なミスで、ご迷惑をお掛けして申し訳ない」と語り、注文をした人にキャンセルを要請するメールを送った、という。
そして、価格を訂正するまで、1000人余りから約1500台の注文があったと、紹介されている。
(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20031105i106.htm)
企業側の当然の対応が行われた、と映る報道である。・・・これが大問題なのである。
当たり前だが、単純ミスにつけこんで、10分の1の価格で買おうという姿勢は間違っている。
しかし、売り手側の都合で勝手に契約をキャンセルすることが許される筈がない。・・・取引成立後に、売り手が勝手にキャンセルできるなら、市場から信用が消えうせる。知らない者同士が取引するのだから、契約条項遵守はネット取引の大前提である。
(尚、19,800円は予定価格と比べれば驚くほどの安価だが、考えられない価格レベルとは言い難い。同じサイトで、29,800円のパソコンが宣伝されていたからだ。)
問題は、この報道を読むと、契約キャンセルが是認されているようにも読める点にある。
もしそうなら、インターネット取引の根本が揺らぎかねない。
法務関係者でなくとも、ただならぬこと、と感じる筈だ。
当該企業も、すぐに、取引をキャンセルしない、と発表したようだ。
これを受けて、「パソコン価格1けたミス、表示通りに販売へ」との見出しの記事が掲載された。「当社を信じて注文していただいたお客様を裏切るわけにはいかない」と語った、と引用されている。
この時点でマスコミも問題の重要性に気付いたようである。
「電子契約法によると、承諾メールが注文者に届いた時点で契約は成立」との解説がついた。
(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20031111i401.htm)
日本におけるインターネット取引の信用性は守られたようだ。
ミスをしてしまった企業に巨額な費用を支払ったもらうことで、皆が貴重な体験を積むことができた、と言えよう。
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