一般消費者がLinuxパソコンを試すことはなさそうだ、と述べた。
→ 「6: 素人利用は望み薄」
しかし、Linuxパソコン普及のチャンスが全く無いとは言えまい。
例えば、Windowsパソコンのユーザーのなかには、現時点のソフトで十分満足という人も多い。OSも、アプリケーションの両方とも、バージョンアップに対応したくないと考える人が増えているからだ。
ソフトが高額すぎるのではないかと感じる人が増えてきたのである。
特に、パソコンの「汎用性」に飽きている人がこう考えるようだ。仕事用の単機能コンピュータが欲しいと考える人が増えているのである。
従って、この人達にターゲットを絞れば、Linuxパソコンのチャンスはあるかもしれない。無償ソフトを搭載すれば、期待に答えられる筈である。
但し、この層は、コスト意識が高い。保有機の買い替えを急いだりしないから、魅力的なビジネスを作り上げるのは難しいかもしれない。しかし、工夫すれば市場が拓ける可能性はある筈だ。
要するに、機能を絞り込んだ激安パソコンが求められている訳だ。しかし、そのような単純なコンセプトでヒットするとは思えない。といっても潜在利用者は存在しているのだから、彼等の琴線に触れるようなコンセプトに気付けば、突然市場が立ちあがる可能性はあると思う。
同様なコンセプトは米国市場や、中国市場でも成立するかもしれないから、挑戦する価値はあろう。
(但し、中国では、Linuxを削除して、海賊版Windowsを搭載するためにLinuxパソコンを購入するかもしれない。同列に扱うべきではないかもしれない。)
ともあれ、パソコンは使うが、メジャーな機能だけしか利用しない人達をターゲットにすればよい。
使われる機能は以下である。
(1) インターネットに接続し、ウエブを閲覧、Eメール/ファイルの送受信、インスタントメッセージ交換を行う。
(2) ローカルモードで、ビジネス資料を作成したり、閲覧し、印刷を行う。
(3) ファイルをディスクで蓄積管理すると共に、ムーバブル・メディアとファイル交換を行う。
これに対応できるなら、可能性はありそうだ。順番に見ていこう。
(1)
Windowsパソコンでは、大半の人が、(1) はブラウザとしてInternet Explorer、メーラーをOutlook Expressで行っている。Linuxパソコンでも、無償のブラウザもメールソフトも揃っている。
しかし、現時点では完全に対応できる状態ではない。ウエブ自体がInternet Explorer対応で作られており、全く同じようには読めないことがある。Microsoftの規格が微妙に違うことが原因のようだ。
しかも、プラグインのソフトを用いて読む方式が対応できない場合もあるという。
使えることは使えるが、どうも、今一歩のようだ。
(2)
ビジネス資料のソフトとは、もちろんMicrosoft Officeのことである。文書作成のワープロ機能 MS Word、作表機能 Excell、プリゼンテーション資料作成機能 PowerPointのセットだ。
これに対しても、無償ソフトOpenOfficeが用意できる。しかし、商用で無いせいもあるのか、洗練度は低い。しかも、Microsoft Officeのファイルと完全互換までは到達していない。
とはいえ、どうにか使えるところまで来たと言えよう。
但し、今後、XMLベースとした新フォーマットが登場して時には、オープンXMLファイルフォーマットとMicrosoft Office間の互換性が問題となりそうである。Microsoftにとっては死活問題に係わるソフトであるから、簡単に解決しないかもしれない。
そして、やっかいなのが、プリンタドライバの搭載である。しかし、主用プリンタメーカーは数社であるから、Linux対応ドライバを用意してもらえばよいだけのことだ。
(3)
ファイル管理自体は大きな問題ではない。しかし、ムーバブル・メディアとそのドライブの種類と機種は極めて多岐に渡る。ほとんどすべてがWindows対応だけを考えて作られている、そのためLinux対応機種は限定されたものに限られている。
この問題をどう解決するかが、Linuxパソコンの使いやすさを大きく左右することになる。
コンセプトに応じた仕組みを考案する必要があろう。
そして、これだけの機能で十分かも練る必要があろう。と言っても、機能をむやみに増やせば、使いづらくなるだけだ。Linuxパソコンは、デジカメ、デジタル・ビデオカメラ、テレビ、スキャナー、等を簡単に接続できないのが実情なのである。この問題は簡単に解決できかねる。
従って、確実に魅力を向上させる機能だけを限定的に加える必要があろう。例えば、デジカメ画像の資料へのとり込みかも知れないし、スキャナー画像直接送付かもしれない。一切、このような機能をつけない方が良いかもしれない。
技術というより、コンセプトの磨き込みが勝負なのである。