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おかしな兆候
デジタルデバイドは貧国問題ではない
2004.2.27
世銀のエコノミストが、デジタルデバイド問題を過度に取り上げ過ぎている、と主張している。(1)
確かに、具体的な数字を見れば、その通りである。
一人当りの機器普及率統計でみれば、富国の数値の高さが目立つが、貧国の方が、IT技術の普及は速いし、対GDP比率も高いのである。
そもそも、デジタルデバイドの話しになると、必ず登場するのが、貧国における一人当りの機器普及率低さだ。この数字を見るため、自分達の社会内で、置いてきぼり状態の人達と同じ、と勘違いしてしまう。
貧国では、電話だろうが、コンピュータだろうが、機器はパーソナルなものではない。所有者は周囲に有料で使わせるのが普通だ。富国とは違うのである。
技術の進歩は、確実に貧国にも効用をもたらすのだ。
というより、通信インフラは後発ほど安価で最新の設備が投入されるから、コストパフォーマンスは先進国より高いのが普通である。
例えば、今から64kのISDNを登用する国などあるまい。
膨大な償却費負担を背負う国より、後発の方が身軽で先端を走れる。経済レベルは低くても、先端技術の恩恵を受けることができる。
しかも、知恵さえあれば、最新インフラを活用して、経済成長を実現することもできる。というより、皆が争って、お金儲けのタネを探り始めるのが普通である。まともな貧国なら、素晴らしい機能を遊ばせておく筈がない。
一方、一人当りの機器普及率はいくら高くても、利用の知恵が浮かばない先進国もある。皆がパソコンを持っていても、実際にはほとんど使わない国もある。インフラができても、さっぱり経済成長に繋がらないのだ。ハコものを作るだけで、まともに使う気がない。宝の持ち腐れと言えよう。
デジタルデバイドは、必ずしも貧富の差から発生している訳ではないのだ。
新しい技術を活用して、よりよい社会を作ろうと考える人が多いかどうかで決まるのである。
じっくり考えればわかるが、先進国でe経済化が進めば、貧国と先進国がダイレクトに結びつく。貧国こそ、一番始めに、デジタル技術による経済発展の恩恵を受けることになろう。
逆に、先進国内でe経済化を避ける層は没落していくことになろう。
(注) この論説は、The Economist 2004年1月22日のEconomics focusの以下の評論に基づく。
「Canyon or mirage?」 A new paper questions the notion of a worsening digital divide between rich and poor ・・・有料頁
--- 参照 ---
(1) C. Fink and C. J. Kenny 「W(h)ither the Digital Divide?」(2003年1月)
http://www.developmentgateway.org/download/181562/W_h_ither_DD__Jan_.pdf
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