こうした変化を個別の産業で考えてみよう。
80年代にマイケル・ポーターが指摘したように、ビジネスはバリューチェーンとして見ることができる。この見方をすると、現在のオーディオ機器の産業構造は上流から、マテリアル業、部品業、モジュール業、組み立て最終製品業、流通業という流れになっている。消費者の商品購入代金が、この流れに参加する業界に配分されていく。こうした、バリューチェーンはサプライサイドの都合でできており、他のバリューチェーンと関連しない場合が多い。これが消費者から最適という保証は全くない。
消費者は音楽を聴きたければ、電気製品であるCDプレーヤーを購買した上で、ミュージック・ストアでCDを買う必要がある。この時、クレジット購買も必要かもしれない。さらには、どのようなCDがあるのかを知るための雑誌購入も関係しよう。消費者は、音楽を聞きたいだけなのだが、色々なことを別々のルートで行っている。そのことを疑問に思う人もいない。