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■■■ 曼荼羅を知る [2019.2.13] ■■■
[6]金剛界曼荼羅 一印会


四印会に引き続いて、簡略な一印会を見ていこう。
  …四印会 一印会 理趣会
 ❹ ❶ ❽…供養会 成身会 降三世会
 ❸ ❷ ❾…微細会 三昧耶会 降三世三昧耶会

❻一印会
四印会の総勢は都合13尊だったが、究極の曼荼羅は1尊となる。一尊で曼荼羅とはこれ如何に?と言ったところ。

もちろん大日如来像である。
頭には5佛の宝冠。頭髪も長い。瓔珞と呼ばれる装身具だらけで、その上に天衣を羽織った姿。
蓮台の上に智拳印でもの静かに座しているお姿。

密教の世界は、明らかに呪術満載であり、論理で語れるようなものではなさそうである。佛のイメージは、おそらく真言と印契で表現する以外に手はない。

もともとの大日如来そのものについても、一応は釈尊に比定せざるを得ないが、その存在を思弁的に昇華させた概念であるから、簡単に理解できるものではない。

解説によれば、その正体は、菩提道場で修行する一切義成就菩薩なのである。どこからともなく出現し、どういう理由かも定かではないが、一切如来が金剛杵を用いる「観想法」を享受してくれたので、如来になれたという。
自身が一切如来になったことをを自覚し、金剛界如来として"成道"し、須弥山頂の楼閣に登場して金剛界曼荼羅を創出したというのである。

これが何を意味しているのかは、浅学故に、さっぱりわからぬが、密教の積極姿勢を窺がわす話であるのは間違いない。マイナスになることを避ける姿勢ではなく、プラスになりそうなら挑戦していく体質が垣間見える。

大円環の入口はあるようだが、その門番の菩薩は省略されている訳だが、それはすでに四摂(布施・愛語・利行・同事)菩薩とされている。菩薩が「鉤+索+鎖+鈴」で衆生を導いて行くのである。
そして、円環内外も供養の精神で相互に結びつく。それは、鬘+歌+嬉+舞と華+燈+香+塗。

尊像は1ッだが、そこからすべてを観想するまでに自己を高めることができるから曼荼羅なのであろう。

(参照 ママ引用でなく改変していますのでご注意のほど) 越智淳仁:「図説・マンダラの基礎知識―密教宇宙の構造と儀礼」大法輪閣 2005年

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