■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[13v釋草]■■■
「說文解字」では、楸=梓なので、そこらにふれておこう。「爾雅」も結構丹念に記載しているようだし。・・・
  <大而皵 楸>  <如木楸曰:
  <楰 鼠梓>   <椅 梓

キササゲ[木大角豆/檟/木豇]/あずさChinese catalpa
樹/金絲楸トウキササゲ[唐楸]Manchurian catalpa
│灰楸Chinese bean tree
│  @北米南東部→北米/カリブ拡大
[南梓木]黃葉美國木豆アメリカキササゲ[亜米利加木大角豆]Indian bean tree
[西美梓]黃金樹ハナキササゲ/オオアメリカキササゲhardy catalpa/cigar tree

誰でも、"木豆樹"≒木ササゲとすぐにわかるが、梓樹、楸樹とされると戸惑う。ササゲと違って食用にならないし、漢方でも軽視されているから、豆的名称は回避なのだろう。豆は鑑賞に堪えないというよりは、大量落実して邪魔なのだろう。
とはいえ、食用にならないとはいえ膨大な数の種子入り鞘が実って落実変色する様子を形容すれば、𤇫イメージそのもの。まさに{木+秋[禾穀孰≠autumn]}と言うことになろう。

ついでながら、日本列島では渡来種と推定されているから、China原産の見方は間違いかも。北米から地続きだったユーラシアに進出ということで。

樹高は15mにも達するらしい。夏の緑陰樹にもなりそう。
【喬】≪夭≫[高而曲]
  山有喬松 隰有游龍 [「詩經」國風 鄭風 山有扶蘇]
  南有喬木 不可休息 [「詩經」國風 周南 漢廣]
・・・西洋的美観からすれば中国ピカ一の樹木ではなかろうか。倭的風情では好まれないのは高木になるので真っ先に落雷の憂き目だから。もっとも避雷針になる。
そこらが"辛"の所以かも。
和語の梓弓とか上梓(版木)がこの樹木かはなんとも言い難し。

花の美しさには触れないものの、人気樹木らしく、灰褐色系の樹皮についても触れている。成木になると、次第に縦に裂けていくに過ぎないが。皮の薬効が重要だったのだろうか。
【皵】[樹皮罅(ひび)割]

異なる樹種なのは明らかな楰樹・椅樹までが"梓"とされるるのは解せぬところだが、重要な良材となる高木としては1つのカテゴリーを形成しているのは確か。植物学にばかり目をむけていると、このカテゴリー観に気付かないが、梓人という用語があり、良材細工職人を意味しているから、その対象の樹種ということかも知れない。
要するに、"梓"とは最上級材の樹種との褒め言葉。
  維桑與梓 必恭敬止 [「詩經」小雅 節南山之什 小弁]

【楰】
水蠟樹ネズミモチ[鼠黐/鼠糯]wax-leaf privet…常緑
  (女貞)イボタノキ[疣取木/水蝋木]privet…落葉
  女貞トウネズミモチ[唐鼠黐]glossy privet…常緑

【椅】
山桐子/椅樹イイギリ[飯桐]/ナンテンギリ[南天桐]…落葉喬木
 其桐其椅 其實離離 [「詩經 小雅 南有嘉魚之什 湛露]
  

     

 (C) 2025 RandDManagement.com  →HOME