■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[16da釋魚]■■■
さて"是"の話に戻るが、現代では当然の様に"A是B"とする。まるでbe動詞の如く。

その"是"だが、再掲して「說文解字」と突き合わせておこう。
   時 寔…【@釋詁
   …【則】@釋言
     ≪是≫:直 (正 韙:是)
      ≪日≫ 時:四時
      ≪宀≫ 寔:止
      ≪刀≫ 則:等畫物

その用法の代表例も挙げておこう。ついでに、素人の意訳を付けてみた。・・・
尹氏大師 維周之氐 秉國之均 四方是維
天子是毗 俾民不迷 不弔昊天 不宜空我師
[「詩經」小雅 節南山之什 節南山]
  尹氏は大きな役割を担当。周王朝維持の要石。
  国家としてはバランス政治路線。周囲との正常関係保持。
  天子はこれに支えられ、民衆は路頭に迷うこと無し。
  (・・・、と言うべき。 従って、)
  天帝の意向を無視すべきでないし、
  優秀な官僚を無能と見なすべきではありませぬ。


さて、これで"是"をどう読むか。

小生は以下の様に整理した。・・・
<名詞・動詞>
  直 straight
  正 correct
  則 right
  肯定(是認) affirm
<代詞(名詞・形容詞)(此) this
<連辞> be(=)
<挿入辞(辞書では副詞) straightly saying

・・・全体を見回せば、「說文解字」の原義設定が光る。(字体から決然とこの文字イメージの原点を提示している。一方、多くの辞書では、それはできかねるから、バラバラと字義/用例を多数並べるか、わかり難い意味は割愛して単純化しがち。)
漢語に品詞概念は無いのであって、上記の分類に意味があろう筈がない。すべては、同一イメージの言葉。要するに、用法とは"A是・・・"であれば、"Aとは直・・・"となっているにに過ぎまい。
この用法は、漢語が構造言語では無いことを示しているとも言えそう。一歩進めれば、口誦倭語的な主題提起、順次叙述を彷彿させる記述スタイルでもある。
太安万侶はこれに気付いた筈。
  

     

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