■■■ 「說文解字」「爾雅」検討[17paax釋鳥]■■■ 儒教が排除したい観念の象徴的な書でもあるから、そう考えることは社会通念に合致することでもあり、これとは異なる見方が主流になることはまずあり得ない。 しかし、魯迅の愛読(覧)書であったことでもわかるが、人々の感性の根幹に触れる内容が含まれている書なのは間違いない。儒教道徳で個人精神まで統制していこうという風潮が顕れれば、これに対抗して志怪の創作が盛んになることでわかるが、この怪には古代精神の息吹が残存しているということ。 「山海經」を参考にする場合、それを踏まえて眺めるべきと思う。 ただ、この書は3つの異なる出自の地誌、①<山経> ②<海経> ③<大荒(+補遺:海内)>、が合冊されている点を考慮に入れる必要があろう。特に、古代の鳥信仰を探ろうとするなら、<大荒>に絞った方がよい。・・・ ① 中華帝国官僚組織が認定している圏内の地誌は、あくまでも、"中"と四方に区割りした<(五藏)山経>。山と河川の地勢で、すべての邑を網羅的の記載している筈。ただ、河川流路は変わっていくし、邑を結ぶ路も現代とは異なる可能性が高いので、現代地名との一対一対応はそう簡単ではないが、可能な筈。 ② この圏外を準<山経>的にまとめたのが<海経>。鋭意編纂であるものの、組織的に自ら認知した訳ではなく確からしい伝聞情報をもとめたもの。ある意味、非中華帝国編纂の地誌に依拠しているということ。<山経>とダブル箇所をできる限り排除して、外縁部記述になるように、整理しているだけ。このため、直接外縁と、さらにその外周という体裁になる。もともとは、内と外であったものが再編されただけ。都合、内側-中側-外側の3部になるよう工夫されており、事実より整合性をとることに熱意が注がれており、かなり手が加わっている様に見える。 ③ 上記までが、基本骨格であって、その先はおまけであるが、中山を世界の臍として描きたい以上、この先についても記載さざるを得ない。存在しているのか定かではないものの、インターナショナルな交流を始めれば無視する訳にもいかず、精緻に地誌的なスタイルで纏めざるを得なくなる。それが<大荒>。 纏めたという意味では、一番新しい記述部分であるが、記述内容そのものは確認した訳ではなく、帝国外周の国々から都度得られた、極地の"歴史的"情報と、そうした地から得たとされる生物標本に依拠することになるので、ある意味、一番古い時代の内容が記載されている可能性が高かろう。 つまり、<大荒>には、最古層の観念から見た社会像が描かれていると見ることができるということ。† 当然ながら、考古学上検討可能な最古の遺跡が太陽-鳥信仰を示している以上、<大荒>でそれを眺めるべきとなる。(係りが薄い地なので、凶兆として採り上げる必要は無いだろうし。) その場合、平板的に<大荒>の鳥名を検討する訳にはいかない。以下の4種が混在している筈だから。と言っても、現代人にとっては、分別不可能だが。・・・ 【衆知鳥】 【希少鳥】 【怪奇鳥(トーテム造作木乃伊[偶像])】 【異國鳥(誤認識部分有)】 ちなみに、<大荒>記載の鳥類と、「爾雅」の類似的文字記載はこんな具合。・・・ [五采] 狂鳥…<狂 㝱鳥> <狂 茅鴟 怪鴟 梟 鴟> 鳴鳥 黄鳥 黄鷔 黄尾 皇鳥…<皇 黃鳥> 青鳥 青鴍 青翼…<翠 鷸> 𪇆鳥…<鸀 山鳥> [others] 比翼之鳥…<鶼鶼 比翼> 大鵹 少鵹…<鵹黃 楚雀> 鳳鳥 白鳥 玄鳥 玄喙 𩿨久 琅鳥 羣鳥(群鳥) ここで頓挫ということになる訳だが、一歩進めて考えることもできない訳でもない。 <大荒>の記述は、旅行記的な、個々記録を、四方の32箇所に当て嵌めた記載の態。その主目的は地勢と産品探索ではなさそうで、もともとは、神話収集という気がする。そうなると、記載生物はその伝承譚に絡んでいる可能性が高く、【異國鳥】と呼べそうな種がピックアップされている可能性があろう。 そういう観点で、採り上げられそうな鳥類を並べるのも一興かも。(異國鳥だけでなく衆知鳥も含まれるが。)但し、古代の生息状況と現代では大きく異なっているので、意味が薄いかも。・・・ 采 紅腹錦雞/彆雉キンケイ[金鶏]golden pheasant 白腹錦雞/箐雞ギンケイ[銀鶏]Lady Amherst's pheasant 棕尾虹雉ニジキジHimalayan monal (藍喉原雞/錫蘭野雞)セイロンヤケイCeylon junglefow 藍孔雀インドクジャクIndian peafowl 亞澳鸚鵡アジア-太平洋-豪州インコ[鸚哥]Asian parrot 雞尾鸚鵡/玄鳳鸚鵡オカメインコ[阿亀鸚哥]@豪cockatiel 風鳥/極樂鳥フウチョウ/ゴクラクチョウbird-of-paradise 黃腰太陽鳥キゴシタイヨウチョウcrimson sunbird 冠 多数(以下は采的。) 獨角鸚鵡/翎冠鸚鵡 ヘイワインコ[平和鸚哥]@ロイヤリティーOuvea parakeet 黃腰-キゴシヘイワインコ@ニューカレドニア 狂 白眼鵟鷹メジロサシバ[目白差羽]white-eyed buzzard 鳴 中國烏鶇クロウタドリ[黒歌鳥]blackbird 黄 黃鸝コウライウグイス[高麗鶯]black-naped oriole 青 東方壽帶カワリサンコウチョウ[変三光鳥]Asian paradise flycatcher 𪇆 藍碕Fヘキサン[碧鵲]green magpie 白 疣鼻天鵝コブハクチョウ[瘤白鳥]mute swan 番 鴛鴦/匹鳥/ケ木鳥オシドリmandarin duck 歩 山原秧雞ヤンバルクイナ[山原水鶏]@南島Okinawa rail 南方鶴鴕ヒクイドリ火喰鳥@熱帯雨林cassowary 舌 大灰啄木鳥ボウシゲラgreat slaty woodpecker 玄 渡鴉ワタリガラスraven others 褐馬雞ミミキジ[耳雉]brown eared-pheasant K喉雪雀モウコユキスズメ[蒙古雪雀]small snowfinch 松鴉/橿鳥カケス[懸巣/鵥]Eurasian jay ⏩戻 ⏩続 (†註 別頁) (C) 2025 RandDManagement.com →HOME |