■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[五]■■■
雅語の「爾雅」は五畜ではなく、六畜で結んでいる。このことは、五が網羅感を示す数字ではなかったと言ってよいのでは。
Yes or No 的な二項対立的表現は、極く自然に生まれるもので、その発展形として5は設定しにくかろう。
混沌の宇宙で、生命の息吹的な分化が始まって、天と地が生まれたとの哲学も万人が納得できそうだし。
ただ、そうした二項対立的世界観を<陰 v.s. 陽>という概念でとらえ返すためには、なんらかの論理が必要と思われる。

但し、分立意識は自然に生まれるので、その代表表記を決めさえすればよいだけとも言えそう。
  昇⇔降 & 出⇔入
  風⇔雨 & 晦⇔明
  生⇔死

こうした二項対立的感覚から、4分は自動的に生まれておかしくないが、5分は至難。
例えば、生⇔死の連鎖を細分しても、5段階にすることはできまい。
  生⇒長⇒収⇒蔵
四季にしても、4だから順当なので、これを五季にするのは無理筋。2進法だと、2 4 (8) 16 (32) (64)が総数でないと分類的整理が付かないのだから。
  春 ⇒夏 ⇒秋 ⇒冬
  少陽⇔多陽
     少陰⇔多陰
        小陰⇔大陰
  青陽⇒朱明⇒白藏⇒玄英

4色にしても、倭語にその由来の残滓が残っている。本来、総数5は不適と言わざるを得ない。
  赤あかるい色⇔Kくらい色 ⇔白

しかし、その一方で、古代人に5が総数との感覚が存在していたのは間違いなかろう。陰陽的2進法であると、総数は8とするしかないだろうし(倭語はこれを採用。5も特別視。)、これを敬遠すると10あるいは12となってしまう。どれにしても形而上学的というか、人工的な香り紛々。

「說文解字」ではそこらを踏まえて解釈。・・・
"5"という数字は総数であって、1234という数字ではあるものの、概念が異なっており、<元始⇒地⇒天地人⇒四分⇒総数>という文字宇宙論が措定されていると見なしていることになる。
五はカウンタブルな意味ではなく、全ての行く先と考えるべき、としたことになろう。
もちろん、系譜上は例外扱いではなく、巻十四の数字順列の文字群に属す。

≪五≫五行[二 陰陽在天地闌午]
 ≪㒳≫:平[廿 五行之數 二十分爲一辰 㒳…㒼平]
 ≪未≫:味 六月 滋味 五行 木老於未
 ≪戌≫:・・・五行 土生於戊 盛於戌[戊含一]

≪玉≫:石之美 有五コ・・・
≪鬲≫:鼎屬 實五觳 斗二升曰觳 琲珠五百枚
≪䰜≫:㽁 古文亦鬲字[象孰飪五味气上出]
≪𩰲≫𩱧五味盉羹
≪耒≫:耒廣五寸爲伐 二伐爲耦
≪鳥≫:亦 神靈之精 赤色 五采 雞形 鳴中五音 頌聲作則至
   鷫:鷫鷞 五方神鳥
≪𠬪≫五指
≪竹≫𥳓:飯筥 受五升 筑:以竹曲五弦之樂
≪丌≫五帝之書
≪木≫五聲八音緫名 象鼓鞞
≪邑≫五家爲鄰 鄙五酇爲鄙
≪鼎≫:三足兩耳 和五味之寶器
≪禾≫:𪗉 五穀之長 秭五稯爲秭
≪黹≫𪓐:合五采鮮色 𪓌:會五采署F
≪㫃≫:熊旗五游 以象罰星 士卒以爲期 旅:軍之五百人爲旅
≪衣≫五彩相會
≪K≫:白而有K五原有莫䵣縣
≪鼠≫五技   能飛 不能過屋 能緣 不能窮木
≪水≫:大陂揚州浸 有五湖 浸 川澤所仰以灌漑
≪珡≫:禁 神農所作 洞越 練朱五弦 周加二弦
≪糸≫五采 繪:會五采
≪土≫:垣 五版爲一堵
   封:爵諸矦之土[土+土+寸 守其制度]公侯 百里 伯 七十里 子男 五十里
≪田≫:天子五百里 畤:天地五帝所基址 祭地
≪金≫五色金・・・
    鐸:大鈴 軍法…五人爲伍 五伍爲兩 兩司馬執鐸
≪𨸏≫:代郡五阮關
≪戊≫:中宮 象六甲五龍相拘絞 戊承丁

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