■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[宀屋居]■■■
"宀"は人名には使えるだろうが、あくまでもウ冠で、独立した文字とは言いかねる。従って、この部首の代表文字は冒頭に記載されている<家>だろう。"宮"と"穴"、及び"㝱"を別部首としたので、それに対応する住処文字として"家"を選んだ様に見える。
すべてを包含した部首イメージからすると、真の代表は<室>だろう。

この辺りをじっくり眺めると、モノと、それをヒトが利用している状況を描いている言葉の文字表記の典型例であることがわかる。・・・



宀   #269≪宀≫【宀】🅱🆂:交覆深[象形]
│       …垂れ下がった屋根の"家屋"
│     #269≪宀≫家🅱🆂[宀+豭省]  宋:
│       …家族の住居
│        犠牲を埋めて地鎮を行った建物の意。@「字通」
│  宇:邊 宸:宇 寷:大 (:實 實:富 富:備)
│  宅:所託  寑: ({宀+古}:n.a.)
│     #___≪_≫:n.a. ≒居
│     #269≪宀≫:實
│       …人入り止まる處
│        矢を放って、その造営の地を卜し、
│          祓うことを意味する。@「字通」
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宮││ #270≪宮≫【宮】
││
 穴│ #272≪穴≫【穴】:土
 㝱│ #273≪㝱≫【㝱】:寐而有覺 (寢/寝:n.a.)
 ││      寐: (㝲:病 寎:驚病 寣:驚)
 疒│ #274≪疒≫【疒】:倚 人有疾病[象倚箸之形]
           <所寢 檜><無東西廂有室曰:寢>@「爾雅」

├┐

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│││││
 几││││ #493≪几≫【几】:踞几[象形] …寝椅子
 │││││  #493≪几≫:處[尸得几而止 凥…謂如此]
 │││││  …寝椅子を得て横たわり休止している。
 且││││
  斤│││
   斗││
    矛│
     車𠂤𨸏𨺅厽


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𠤎从𡈼
   臥 #297≪臥≫:休 取其伏
   │      #085≪臣≫【臣】:牽 事君[象屈服之形]
   尸 #305≪尸≫【尸】🅱🆂:陳[象臥之形]sitting or lying
   │      ≒屍"かたしろ"@祖祭
   │      屍体の横たわる形(尸陳は後起の義)@「字通」
   │   #305≪尸≫🆂:蹲[尸+古者 居・古]
   │    …しゃがんでいる。
   │      尸となる者が几に腰かけている形。@「字通」
   │    #053≪古≫【古】:故[十+口 識前言者]
   │   #305≪尸≫🆂:居[尸 尸…所主 至 至…所至止(室 屋)]
   │    …来て止まっている。
   │      殯葬する板屋の意。@「字通」
   │    #433≪至≫【至】:鳥飛从高下至地
   │          [一 一…猶地 象形 不上去而至下來]
   ├─┐
   尺 │
     尾─履─舟─方


尚、"女"と宀の合字は別扱い。状態を指す言葉の意味しか無く、婦人の家屋というモノ概念が欠落。(原始部族社会では社会機能としての産屋や月経時忌避処が存在していたようだが、無文字社会だと、それを記号表記する必要性は薄かろう。早くに廃れた文化らしいがその観念は残っていたので、文字として登場して来たと言えなくもない。)・・・
#269≪宀≫ 安 㝣:靜  宓 宴 定:安
「說文解字」は、"女"は上記の<人>や<豕>系譜文字ではなく、感覚器系の文字と見なしている。家屋利用状況の状況形容表現に用いられていることを重視したのかも。
"安"が、名詞からの派生で誕生したのでは無いとしたら、極めて高度な抽象化ということになる。初期作出の文字ではなかろう。
𠦬
     └女┬
       └民


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