■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[十]■■■
"十"は漢和辞典では2画の部首文字で、その所属文字の博や協を知らない人はいないだろう。義務教育で頭に叩き込まれた結果だが、そんな覚えは全く無くなっているのが普通。
従って、この感覚で小篆字体の"七"を眺めれば、驚かされることになる。
  #509≪七/𠀁≫🅱🆂 =㇀+乚
📖七九禸嘼
なんと🅱は"十"なのだから。

一方、その"十"はなんと"|"。
  #054≪十≫🅱㊎🆂
従って、文字混同を避けるために、小篆創成官僚によって、一直線縦棒の形が変えられた結果誕生したのが"七"という字体ということになろう。
こうしたデザインの根本には度量衡と同じ精神が流れているというのが、「說文解字」の見方でもあろう。小篆は甲骨金文の延長上で考えられている訳ではないことがよくわかる。

こうなると、流石に、甲骨論ではどうにもなるまい。
   算木に用いる縦の木の形。
   金文ではのち、縦画の下方に肥点を加え、十の字となった。@字通
数字は抽象概念なので、指示にするしかないが、実態は算木の象形(1が横棒、5が2本交叉、2x5=10が縦棒。)。"上下"で吐露しているように、この手の六書分類にほとんど意味ははないと思うが。
明らかに、小篆創成官僚は、この算木的表記を嫌ったのである。インターナショナル的には1=|、10=✕が通用していることを知っていた可能性も高いし。ドメスティックな呪術統治の時代はすでに終焉しており、|=7にするような無能な皇帝の筈が無い訳で。

要するに、こういう流れ。
①甲骨…「部首」概念不要体系(字体全体統制規格より個別重要性優先)
②金文…「特定字体」組み込み体系(緊要表現部分の規定化)
↓規格化不適である絵文字からの脱却
③小篆…「部首文字群」による包括的な体系(表現部品のできる限りの規格化)
④以後…個別文字規定と実用的分類としての「部首」
 ↓活発な造字と字体改変(線型文字化・規格部品化)
 現代楷書…3分流{繁体 簡体 日本体}以外消滅
 ↓フォント規格化…手書き字体[行書 草書]の古文字同列化
  [附言]1985年段階での、日本情報通信分野の先端研究者インタビュー(非公開)では、IC進歩速度の算数的外挿値から、2025年段階で、行書草書は万人が持つコンピューターで簡単に読めるとの予測が肯定的に評価されていた。しかし、社会的に見て、国内での古代文字読解プロジェクトは無理とも。

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