■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[仁@系譜]■■■ 文字秩序論を理解するには、先ずは、文字創成姿勢を知る必要あり、ということでは。 ・・・この巻では、冒頭文字から早速に、"此籒文"と字体紹介が来る。巻一"一"と並ぶが如き、特別な文字であるとの釋(天地之性最貴者)を記載しながら、帝国公式文字以外の字体をわざわざ紹介するのである。 一般には、大篆→小篆といった展開だけで造字過程の説明が終わってしまうが、強制的統一がなされたのであるから、この特徴は<続>ではなく<断>。画期なのである。小篆以前は、古文こと六国文字等が色々ありあり、公定と称していても、多種からの取捨選択や折衷字体を創作したりと、随時工夫がなされていた。これを、天子の威厳を以て許さずと決した結果が小篆。 度量衡同様、一挙に強制的標準化挙行という点に意味がある。 従って、この時点で、初めて字義が定義され、それに一対一対応する字体が設計されたことになろう。「說文解字」は、その際の設計論理を推測し、その背景にある哲学=文字体系を読み解こうということで企画されたと見てよいだろう。(尚、現代の検索用文字部品としての部首の視点では、小篆より、籒文の方が似合っていそう。) 従って、甲骨や金文を知らなかったことが、「說文解字」のこうした取り組みにマイナスに働くとは限るまい。 とは言え、相似も多いから、それが連続性とどう係るか気になるのも致し方ない。小篆は今迄使われて来た大篆に連繋しているから、連続性は否定できないが、その目的は字体の受け継ぎではなく、あくまでも完璧な標準化。この点が肝要。つまり、ほぼ相似だったなら、それは前身の小国時代から用いられていた文字で、新規格からの例外的除外文字かも知れない訳で。(もっとも、こうした強制的文字標準化は逆に異体字発生の活発化を招き、大失敗に終わった。) 巻八では、<ヒトとは气で動く生命体。自由自在に姿形を変えることができる点で"貴"。>との見方で"人"文字が造られたとの見方が提起されているといえよう。 要するに、生命維持の核たる獲得行為の姿の抽象化で動物文字が創成されたことになろう。この場合、生命体は天を目指すというドグマが確立しているので、動物文字は上部を動きの先頭とした側面描写にならざるを得まい。文字ジャンル表示部品は左側とする指針がありそうなので、そこには移動機能を司る部位が表現されることになろう。 但し、ヒトの獲得行為は4足動物とは異なっているし、口は捕獲器官ではない上に、移動体勢や食餌姿勢も似たところが無い。しかも、直立二足歩行が常態という特徴まで。 これらを鑑みれば、ヒト文字をどれか1種に限定するのは難しかろう。(側面体が"人"で、正面体が"大"という考え方にはそぐわない。) ・・・人𠤎匕儿尸はすべてヒト文字ということになろう。どの姿形を代表にしてもよかったことになろうが、帝国基盤を考えると"人"を選ばざるを得なかったのだろう。 それを踏まえて、儒教の人間学的思考の頂点ともいえる文字"仁"を考えておくと、「說文解字」の見方が分って来る。・・・ 亻仁:親compassionate 尸[古文]𡰥 心[古文]忎→忈→𰐼/𰑢 臣鉉等曰:"仁者兼愛 故从二" 樊遲問:"仁?" 子曰:"愛人" [「論語」顏淵] …宗族第一主義下の愛。キリスト教の愛とは異質。 "二@仁"の合字化字義諸説 ---二:地之數[偶一]--- ①"二人"相親しむ@通説…何故重畳文字ではないのか? ---"二"は数ではない。--- ②衽席(臥席)@「字通」…忎は誤造字か? ③区別のための横画@何琳儀1998…[二+心]は別文字か? "仁"の字義文字 [≪叀≫+心]惠 [≪皿≫+囚]𥁕 [≪心≫+如]恕 "親"系文字[≪見≫+亲] 親:至 ≪至≫:鳥飛从高下至地[一 一…猶地 象形 不上去而至下來] [≪木≫+親]櫬:棺 [≪宀≫+親]寴:至 [≪水≫+親]瀙:水⊂出南陽舞陽中陽山 入潁 [≪示≫+爾]禰:親廟 (C) 2026 RandDManagement.com →HOME |