■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[兀@系譜]■■■
巻八の系譜は、派生文字と系譜連続性確保文字を除いて順列通りにママ記載すると、"人𠤎匕从比北㐺𡈼臥身㐆衣老"→"儿兄先見頁"となる。但し、後者順列から"兂皃𠑹禿欠"を外している。見た印象は"儿"系だが、釋で"人"系合字との指摘しているから。

これはおかしな話で、画然として2つを区別したいなら、順番を変えて"人"系に入れれば済むのでは。それに何の問題もないし。特に<欠>など、誰でもが字体上"人"の合字であって、"儿"では無いと感じる位だから。
系譜上で<人→儿>と認定するなら、わざわざ、両者の間に<毛尸舟>という系譜接続文字群を配置する必要もなくスッキリ。どの文字も、もっと近しい字体字義がある訳だし。

しかし、ことはそう単純ではない。

釋義では、"儿"は儒教的センスを加えるための造字的様相が示されている風に思える。
      ≪人≫:天地之性最貴者
      ≪儿≫:仁人

ところが、<人→儿>との評価と思っていると、逆のことが書いてあることに気付かされる。世界の始まりは"儿"。それがほぼ"人"と同義になったと宣うからだ。・・・
 ┌≪一/弌≫:惟初太始 道立於一 分天地 化成萬物
 │ ⮞≪一≫元:始[一+兀]
 └≪儿≫兀:高而上平[一在人上]†
(文字創成時期が新しいか古いかという話と、字体系譜上順列とか類縁字体の話は次元が全く違うのでご注意のほど。何故、相似的デザイン変更が必要となったのか、もともと異なる用法で生まれた異体文字の可能性はあるのか、といった観点でのコメントが伴わない文字の新旧情報は考古学的発掘データ紹介以上ではなかろう。
秦の標準化担当官僚が秩序論を構築して公式使用文字"小篆"を制定したのであって、その考え方を文字宇宙論的に解明しているのが「說文解字」の系譜。あくまでも、その手の系譜であって、古語辞書の索引ではない。)


†兀の合字
  ≪長/镸≫🅱🆂:久遠[兀+匕 兀者…高遠意]久則變化 亾聲 者 倒亾
  ≪髟≫髡:𩮜髮[髟+兀]
  ≪手≫扤:動[手+兀]
  ≪垚≫堯:高[垚在兀上 高遠]
  ≪𨸏≫阢:石山戴土[𨸏+兀]

尚、獸文字のhead & legs字体に儿の合字は収載されていない。多少似た印象を与えるタイプには点が付いている。
 𤉡#367/𧱃/𧰽/兕(𧣶)/𠒅/咒(呪)/𠙃/𠒊/𠒃(𧤄)

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