■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[叀甫專尃]■■■
漢字のお話に必ず登場してくるのが、"博"と"専"。右上点の有無が自明ではないからだが、訳のわからぬ説明であり、覚える以外に手は無い。
ことの発端は「說文解字」だろうと見ていたが、どうもそれ以前から混沌としていたようだし、楷書化の進展でも、杜撰というか、なし崩し的に字体を弄ったのが分かり難さを生み出したようだ。

そもそも、專⇒専がよろしくない。紛らわしくなっただけ。
尃には点があるし、田と用の違いがすぐに思い出されて、混同することはあり得ないと踏んだ設計だったのだろうが、それは無理。両者は「說文解字」では同部首に所属しているので、字義的イメージの差異が無いとされてしまっているのだから。
おそらく、"団""伝""転"はそこらを鑑みて、一挙に簡略化を図ったのだろう。これらの文字の出自は全く別文字である可能性が高い。
紛らわしいので余り使わない漢字については省略しないママで使われていると思われる。
  專/専≠尃
#089≪寸≫:布[寸+甫]
  …愽膊鎛賻榑髆䪙㗘𩌏𢾭 傅
   有打点なら"𤰔"でなく"甫"形:博 縛 敷
#089≪寸≫專/🅱🆂:六寸簿[寸+𤖕]
現代のフォントでも、小さいと""""両者の違いは、辛うじて点の有無でしかない。
しかし、もともとは、似たところがあるとは言い難い。
「說文解字」が、どうして、ここらをはっきりさせなかったかと言えば、すでに混淆が生まれてしまっていたということだろう。
 #012≪艸≫:蒲叢
 #135≪肉≫:切肉
 #143≪竹≫篿:圜竹器
 #226≪囗≫團/団:圜
 #287≪人≫傳/伝:遽
 #356≪卮≫𡭐:小巵有耳蓋者
 #404≪立≫:等
 #410≪水≫:露皃
 #424≪魚≫:魚
 #443≪女≫:壹
 #467≪糸≫:白鮮色
 #498≪車≫轉/転:運
 #441≪手≫:索持[尃]
 "ほ"穗/穂:n.a. ear of grain
 "かわら"(石 瓦 土)磚 甎 塼:n.a. …紡搏

誰が見ても、以下の元字では、両者が似ているとは言い難かろう。
しかし、小篆創成官僚達はこの元字イメージからの脱却を図りたかったことになろう。
  叀/(𤰔)≠甫
#095≪用≫甫🅱㊎🆂≠[屮+田]   :男子美稱[用+父]
  …捕補輔莆哺逋ヲ鬴脯餔郙牖黼俌䩉匍㕊豧浦酺鋪
    甫は苗木の形で、
    植樹のはじめ、その植えるところを圃@「字通」
    #226≪囗≫圃/圑🅱㊎🆂[屮+田+囗]garden
               :穜菜曰圃
#086≪殳≫:揉屈[殳+𠧢]𠧢 古文字 廏字此
#125/(𤰔)】🆂:專小謹[幺省+屮 財見]…[象]紡輪
   ≒[𤰔+寸]
  惠/恵:仁
  疐:礙不行[叀 引而止之 叀…如叀馬之鼻 此與牽同意]
紡いだ糸の回転式巻取機のこと。紡搏と呼ばれる"かわら"錘が動力となる単純な構造。
これを心象風景に当て嵌めると、<恵む>になる訳で、"仁"の2人の姿からの字義もそうだが、その抽象化はとんでもなく高度なものである。・・・小篆創成段階ですでに、その域に達していたことになる。


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