■■■ 小篆文字検討@「說文解字」「爾雅」[攴卜用爻]■■■
「說文解字」の解釈が頭抜けているのは、小篆に限定して、文字宇宙像を作成し、その土俵の上で画部首の字義を推定している点。その世界には、字体系譜という秩序があるとしている訳だ。
従って、字体系譜に無関係にあれやこれやと緻密に検討したところで、「說文解字」を読んでいる訳ではない。解釈書や、大辞典を三故意にしても、肝心の系譜上の文字の位置付けを確認していないのでは、どうしてその様な解釈をしたのか知らずに、当たり外れを決めているようなもの。
もっとも、そうはいっても、文字系譜をどの様に作成したのか一言も語っておらず、ヒントの一つも与えてくれないのだから、理屈はそうでも、実際には無理と匙を投げることになってしまうが、そこを我慢して追求することをお勧めしたい。

例として、"攴卜"グループを採り上げてみたい。小生なりの"「說文解字」の主張"の見立てということで。・・・

"攴"は、イメージ的には{🝑𠁡}的合字。"手で草を掴んで軽く叩く"という動詞として読むとよかろう、と記載していると考えた。草でなくも、笹竹でも、小枝でもよいのだが、その代表ははっきりしていて、蓍["目処木"/鋸草:alpine yarrow]。
だからこそ、系譜として、"卜"につながるのである。しかし、こちらは、枝葉が分岐する様な罅割れ"𠁢"を意味することになる。字義は甲骨卜占を行う、となる。
これは王朝にとって最重要とも言える統治行為でもあり、灰葉稠李["波波迦"/上溝桜]や蓍は特別に用立てられ、桶的容器に大切に入れられることになる。"用"とは、こうした御用を執り行うという字義となる。
この展開からすれば、"卜"と"爻"も同字体系列になる。爻は卦であって、まさに蓍そのもの。もともと、芟艸であって、筮竹や算木類では無い。
(乂の甲骨は鋏に見えないし、爽の甲骨には㸚が無い。用の甲骨は色々あるようだが、隙間を許容している文字があり、それでもかまわない字義だろう。・・・これらの甲骨が正しい比定との証拠がある訳ではないのでご注意あれ。)

攴     #092【攴/攵/䇚】🅱🆂:小擊[又+卜]
├┬─┬┬┐   卜は木の枝の形。@「字通」
│ │││
 卜 │││#094【卜/𠁡/𠁢】🅱🆂:灼剥龜[象灸龜之形]
 ├┐│││   吉凶を卜うことをいう。@「字通」
 用││││#095【用/𤰃/𤰆】🅱🆂:可施行[中+卜]
  ││││   柵の形。中に犠牲@「字通」
  ││││   一般的見方:(把手/吊手付属)筒 桶 鐘etc.…
  爻│││#096【爻】:交[象《易》六爻頭交] …卦の横画
  ││││   木を交叉した形。@「字通」
  ││││  爻=㐅+乂・・・
  ││││  #446【丿】:右戾[象左引之形]
  ││││      乀:左戾[反丿 讀與弗同]
  ││││   乂🅱🆂:芟艸[丿+乀 相交] …殳で草刈
  ││││         鋏の形。@「字通」
  㸚│││#097【㸚】:二爻
   │││   胸の左右に加える文様@「字通」
   │││  爽=㸚+大・・・
   │││  #097≪㸚≫爽🅱🆂:明
   𡕥││
    放│
     𠬪

"攴"は手に卜を持って"うつ"との字義。廟内のヒトを叩く暴力的な行為を意味する次の文字が象徴的。・・・
 寇:暴 六卿…天官冢宰 地官司徒 春官宗伯 夏官司馬 秋官司寇 冬官司空

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