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2007.2.5
 
 


国力衰退…

 「平成17(2005)年度国民経済計算確報及び平成8〜15年度遡及改定結果」が、2007年1月に発表された。(1)
 2005年の名目GDPの成長率は+1.0%。その前が、+0.8%、+0.9%、だから3年連続プラス。
 一方、デフレは続いており、-1.3%。

 数字だけなら、経済発展の流れが戻ってきたことになる。

 しかし、グローバル経済の時代、そのような見方でよいのか、注意すべきだ。特に、他国と比べ、日本の生活レベルは上がっているのかという視点が重要だと思う。
 その指標としては、GDP per capita (PPP)しかなさそうである。

GDP per capita (PPP) 上位国(3)  [$10,000]
Bermuda(7.0), Luxembourg(6.9)
4.5〜5.0 EquatorialGuinea, UAE, Norway, Guernsey
4.0〜4.4 CaymanIslands, Ireland, 米, Jersey
3.5〜3.9 BritishVirginIslands, Iceland, Denmark, 香港, Canada, SanMarino
3.0〜3.4 Austria, Switzerland, 日, 豪, Finland, Belgium
蘭, Sweden, 独, 英, FaroeIslands, シンガポール, 仏, 伊
2.5〜2.9 Qatar,台湾,Gibraltar,Isle of Man,Monaco,
西,Israel NewZealand,Bahrain,FalklandIslands,Liechtenstein
 富の偏在があると、GDP per capitaでは、生活実態を見誤る可能性はなきにしもあらずだが、先進国なら、それなりに状況を反映していると思う。

 さて、日本のGDP per capita (PPP)だが、先進国の平均レベルといったところ。
 決して、富める国ではない。

 問題は、富が増える方向に進んでいるかである。

 信頼できそうな経年データが見つからなかったので、とりあえず、名目GDP per capitaで、日本の順位の変遷を見てみよう。(2)

 2000年から、地位は下がり続けていることがわかる。

 解説によれば、この理由は、為替が、欧州通貨に対して円安に動いたからとされる。それはその通りだが、素直に地位が落ちていることを認めるべきだろう。

 と言うのは、円安は、経済好調の原動力でもあるからだ。輸出と海外事業で稼いでいるため、国内での業容をかろうじて保っている企業が目立つからだ。
 そもそも、輸出好調なのに円安なのは、国内に投資機会がないからである。一部の競争力が高い産業が膨大な外貨を獲得するが、残りの国内産業はぶる下がるだけで、産業再生する気もないからこうなるのだ。
 円安は、成長余力を欠いている国の実態を反映しているだけのことだ。

 それに、1ドル115円〜120円は、欧米から見れば、自国の産業の競争力を削ぐレベルに感じるだろうが、日本の消費者の実感としてのPPPでは、この程度が妥当だ。
 為替水準が歪んでいるのではなく、日本の構造が歪んでいるのである。

 順位低下は、日本の国力が衰え始めた兆候と見るべきだと思う。

 --- 参照 ---
(1) http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/h17-kaku/point.pdf
(2) http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/h17-kaku/percapita.pdf
(3) https://www.cia.gov/cia/publications/factbook/rankorder/2004rank.html


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