表紙
目次

■ 分類の考え方 2017.9.17 ■


進化と分岐の考え方

アートとしてではなく、クラフツという視点で、素晴らしい職人芸として賞賛される作品は大きく見れば2つに分類できよう。但し、普通は両者を分離することはない。伝統継承として重なり合うことが多いからだ。・・・
  〇"残り物には福"的な独自性がウリの作品
    (大勢の地域職人を抱え一世風靡した時代あり。)
  〇真似されそうにない緻密性がウリの作品
    (様々な技巧をちりばめている。)

言葉遊びをしようという訳ではない。このような見方は職人芸の本質を見誤るのではないかと思い書いてみたのである。
小生は、以下のように考えるべきではないかと思う。
  〇独自の方針で徹底した洗練性が特徴
    (実現したい機能が明瞭。)
  〇できる限り重層的に付加した装飾性が特徴
    (類似品との差異が明瞭。)

実は、これは、進化の話をしたいための前段。

「重層的複雑化した生物は"進化"の結晶」で、「単純で異端的な生物は"原始的"存在」とみなす発想は止めた方がよくないか、と感じたから。「"退化"も"進化"のうち」と教えられるから、こうした見方をしていないように見えるが、"退化"を例外的事象として取り上げるならなにも変わっていないのでは。
そのような見方では、"進化"の概念に歪みが生じてしまうと思うが。

例えば、こういうこと。

小売店への商品配送を考えるに当たって、"原理的"には混載こそが低コストと考える人は少なくない。その原理だけとれば、当たり前と考える人も多かろう。
しかし、"本質的"に混載すべきではない商品の、ワイン、卵、アイスクリーム、パン、等を常時店に並べることを旨としている業態で考えるなら、混載=低コスト輸送とみなす発想は『一般原理』ではなく、混載=高コスト輸送と考えるべきだろう。前者は特殊条件下で成り立つミクロな法則に過ぎないと考えざるを得まい。
そもそも、商品配送のコスト削減という狭い視野で見ても、それが重要な課題である根拠もわからない訳である。コスト削減がはたして最重要なのか、そうだとすれば商品配送をイの一番に考えるべきなのか、といった点を明らかにしないと。

・・・こんな考え方で生物界を眺めて見るべきだろう。

生物界では、せっかく得た機能であっても、邪魔になれば捨てる方向に進むのは当然だろう。邪魔とまではいかなくても、新しい機能を得るのに棄てねばならぬこともあろう。このような現象こそが"進化"の本質とは言えまいか。
要するに、"進化"とは、"合目的な性格を持った方向性"。

そんな気分で系譜を眺めてみた。
素人でも、考えればいくらでもシナリオは浮かんでくるもの。・・・


多細胞動物

外皮[耐環境]・内皮[代謝=消化]の分化(器官未分化)
│   (無相称)集合体[群体]重視(但し個体認識欠落)
├─┬─────┐("平板"はここでは無いようだが。)
平板動物…鞭毛移動
海綿動物…珪素系骨板固着

餌方向前進運動器官(放射相称)登場
…筋肉+散在神経細胞の出現
│  【神経系の萌芽】
刺胞動物(海月, 磯巾着)

自立餌獲得向体躯登場
│   …餌対応機能の出現
│  【神経系+体液系の確立】

触覚移動餌獲得触手
├─┬─────┐

脱皮動物冠輪動物

├──外肛動物(苔虫)…微小虫が虫室群居
寄生生活
・・・
移動生活化
│┌─扁形動物(プラナリア/渦虫, 条虫, 平虫)
├┤
││寄生生活向超微小化
││(内部機能縮小)
│└─菱形動物, 直泳動物
大型化
│┌─腕足動物(緑三味線貝)
└┤
│┌環形動物(沙蚕類, 蚯蚓)
└┤
巨大脳化
軟体動物(海牛・貝類, 烏賊・蛸類)
外骨格構造
├───線形動物(線虫, 回虫, 蟯虫)
触角対応付属肢
├───有爪動物(鈎虫)
外殻と微小脳化(単純即応システム)
└───節足動物(三葉虫, 甲殻類, 昆虫類)

餌口-肛門(腸)代謝最優先構造登場(内骨格)

消費エネルギー抑制(筋肉僅少化)
├─┐
管足[棘皮](放射相称)動物
│├───×
││固着棲
│├───海百合
││底移動棲
│├───海星
││逃亡移動能力増強
│├───蜘蛛海星
││防衛棘装着
│├───海胆
││砂潜棲(防衛棘喪失)
│└───海鼠

口盲管[半索](左右相称)動物
棲管固着群体棲
├───総担[フサカツギ]/翼鰓
砂泥中移動棲
└───擬宝珠虫/腸鰓…ミミズ形体躯

消費エネルギー拡大(センサー+筋肉+制御系)
│  【神経管出現】
頭索(左右相称)動物(蛞蝓魚)
尾索(左右相称)動物(海鞘)

視覚情報処理器官[脳]による運動制御システム登場
│  【脊椎出現】

 (C) 2017 RandDManagement.com