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魚の話  2017年9月20日

しらすうお の話

 黒い目に 六分の侠気 しらすうお
     顎の先端の小さな黒点が発するオーラの凄さ。

スーパーで売られているシラス[白子]/Whitebaitは、片口鰯や真鰯の稚魚である。
ただ、穴子の稚魚"のれそれ"、鰻の稚魚"シラスうなぎ"も俗称としてシラスが使われることがある。さらに、シラスのお隣に必ず並ぶ小女子(西日本では"イカナゴ"がの方が通るそうだ。)も、幼魚名シンコで成魚名フルセであるにもかかわらず、稚魚をシラスと呼ぶことがあるそうだ。
マ、魚の白子とは、小さくで、半透明あるいは白色の小さな魚を名付けた一般用語である以上致し方なかろう。

この魚を、10年以上前に取り上げたことがあるが、白黒パンダ名が付けられた鯊[→]を眺めていて、フト、気になってきた。当時は、篝火を焚いた漁が春の風物詩だった時代は今何処という気分で書いたようだが、白色の小魚類として考えておくか、ということで。
  → 「しらうおの話」[2005年3月18日]

多くの方がご存知らしいが、厄介なのは、稚魚同然の類似名称の成魚が存在すること。Wikiでも、ご注意のほどと記載されているから、皆、一度は間違えるのかも。
実に紛らわしい。・・・
 シラウオ=白魚…鮭系 胡瓜魚の仲間
 シラスウオ白子魚…鯊系(擬鯊グループ)
 シロウオ=素魚 or …鯊系(真鯊グループ)

どうも、ハゼ類には、矢鱈に小さい種がいるようにも思えてくる。
実際、現時点での世界記録を見ると、トップを除けば鯊系がズラリ。・・・

1位 _7.9mm Dwarf fairy minnow…鯉系ダニオ族パエドキプリス類
2位 _8.4mm Stout infantfish…鯊系 白子魚の仲間
3位 _9.0mm Dwarf pygmy goby…鯊系 胡麻鯊の仲間
4位 10__mm Dwarf goby…鯊系 縞磯鯊の仲間

ハゼ類は矢鱈に細かく棲み分けする魚のようだから、極々狭い場所に棲む以外になくなると、成長すると自滅するのは自明なので、致し方なく幼体のママで成熟するタイプが生まれたのだろうか。1ヶ月満たずに成熟するというから驚異的である。

白子魚(Schindleria praematura)は、インド洋〜西太平洋の珊瑚礁域に広く分布しており、もちろん日本にも棲んでいる。[小沢貴和,他:「First Record of the Schindlerid Fish, Schindleria praematura,from Southern Japan and the South China Sea/日本南方海域と南シナ海から初記録のシラスウオ (新称)」魚類学雑誌25, 1979]
上記のStout infantfish(Schindleria brevipinguis)は豪州産。
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