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尾索動物の話  2018年4月13日

いたぼや の話

🀰 マット敷く 途端に周り 空いてくる

3mm程度の個虫が垂直に一緒に居るだけの平らな群体をとりあげよう。板というより、無定形の厚いマット。
  板海鞘
岩、貝殻、海藻、等の表面上に広がって覆ってしまう。と言っても、共同の外皮が拡がる範囲はせいぜい10cm。
受精卵は育嚢に入り群体血管系に繋がり、幼生に成長してから泳ぎ出て、側に着床して群体が広がっていく。

外皮自体は透明だが、体色は様々。
不定形のようだが、個虫は2列に並んでいることもあるようで、無秩序ではなさそう。
何と言っても凄い能力は、自己認識。別な群体と接触すると適合と判断すると融着してキメラ的に同一群体と化す。Noとなれば拒絶。
DNAレベルでの同一性からくるものか、成長過程で生まれる異質度によるのかはよくわからないところがあるが。

マ、素人解釈よりは、こちらを読むのが一番。
"イタボヤ類の特徴"
  (C) 筑波大学下田臨海実験センター 動物発生学研究室

分岐系統図から、16種の位置付けがよくわかる。血管系が生まれる前の種もあるようだ。
そういう点では、その方向へ進化したばかりなのが、コチラ。
  薄板海鞘
素人的には、板海鞘と分類上で同グループにして代表にさせたいところ。と言うか、群体型海鞘の典型ではないか。

 起きあがる 菊ほのかなり 水のあと 芭蕉
一方、鰓孔列の数が異なっているこちらの種は別グループなのは至極妥当。分岐が古い生き残り集団ということで。
  菊板海鞘
群体は薄板海鞘と同じように、外側は透明で、厚さは2mm以下。色は様々だが概ね鮮やかではない。

鮮やかな色を誇るのは別な種。

 これ小判
 今夜一晩
 居てくれろ

  1756年の作
  江戸っ子文化の誕生期

お足として動かないように見えるが、他人さまの上に被さるのが得意らしい。そもそも個虫からして扁平であり、それが小判型だということからの命名だと思われる。
  小判板海鞘
黄金色ではなく、コバルトブルーの姿もあるようだ。変種になりたくて、色々な色調で存在を誇示したいのかも。多分クチクラ化しているのだと思うが、爪のように硬いらしい。
思うに、幼生時に泳いでいる際、周囲の状況に合わせてどのような色になるのか方向性を決めてしまうのではなかろうか。単色のマットが形成されているなら、そこは安定した環境ということになろう。

【尾索動物/Urochordata or Tunicate
┼┼┼海鞘[ホヤ]Ascidians
┼┼┼《Stolidobranchia》
┼┼┼┼┼-Molgulidae (or Hexacrobylidae)
┼┼┼┼┼┼┼: →[2018.4.12]
┼┼┼┼┼-Pyuridae
┼┼┼┼┼┼┼: →[2018.4.10]
┼┼┼┼┼-Styelidae
┼┼┼┼┼ {Styelinae}
┼┼┼┼┼┼┼
┼┼┼┼┼ {Polyzoinae}
┼┼┼┼┼┼〇Chorizocarpa
┼┼┼┼┼┼┼三筋小判板海鞘(sydneyensis)
┼┼┼┼┼┼〇Metandrocarpa・・・ワカレイタボヤ類
┼┼┼┼┼┼┼別板海鞘(kudoi)
┼┼┼┼┼┼〇Polyandrocarpa・・・マメイタボヤ類
┼┼┼┼┼┼┼三崎板海鞘(misakiensis)
┼┼┼┼┼┼┼群がり豆板海鞘(sagamiensis)
┼┼┼┼┼┼┼黒豆板海鞘(zorritensis)
┼┼┼┼┼┼┼(monotestis)
┼┼┼┼┼┼┼(rollandi)
┼┼┼┼┼┼〇Polyzoa・・・アラレボヤ類
┼┼┼┼┼┼┼霰海鞘(vesiculiphora)
┼┼┼┼┼┼〇Symplegma・・・コバンイタボヤ類
┼┼┼┼┼┼┼小判板海鞘(reptans)
┼┼┼┼┼┼┼千切小判板海鞘(japonica)
┼┼┼┼┼┼┼(brakenhielmi)
┼┼┼┼┼┼〇Syncarpa・・・カタマリムラボヤ類
┼┼┼┼┼┼┼塊斑[ムラ]海鞘(composita)
┼┼┼┼┼ {Botryllinae}
┼┼┼┼┼┼○Botrylloides・・・イタボヤ類
┼┼┼┼┼┼┼板海鞘(violaceus)
┼┼┼┼┼┼┼(simodensis)…上記類似
┼┼┼┼┼┼┼赤板海鞘(aurantium)
┼┼┼┼┼┼○Botryllus・・・ウスイタボヤ類
┼┼┼┼┼┼┼薄板海鞘(schlosseri)
┼┼┼┼┼┼┼菊板海鞘(tuberatus)
┼┼┼┼┼ {-}
┼┼┼┼┼┼○Eusynstyela
┼┼┼┼┼┼┼三崎豆板海鞘(misakiensis)
┼┼┼┼┼┼┼

(分類参照) ママでなく、素人が改編
JODC(日本海洋データセンター)GODAC/JAMSTEC


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