↑ トップ頁へ

2004.10.5
 
 


わからぬ旨い納豆…

 納豆に関する関心は高い。

 しかし、正確な統計は無いのだそうだ。原料大豆の使用量から推算すると、年間で50gパック約44億個が生産されている勘定になるらしい。(1)

 仮に、2,000万世帯が購入しているとすると、年間平均で220パック食べていることになる。まさに国民食といえそうだ。

 「体に良い」と「味が好き」、というのが購入理由らしい。(2)
 本当は、安くて便利との利点が効いているのではないかとも思うのだが、海外生活者がタネ菌を郵送してもらって自家製納豆を作る位だから、その通りなのだろう。

 しかし、味がどの程度違うのか気になるところである。
 そんな消費者の姿勢に応えてなのか、全国納豆鑑評会が開催されており、2004年で9回目である。(3)

 実際、美味しい納豆があるようだ。

 「地元産大豆と稲わらで伝統の味」を提供する納豆を食べてみようかと思ったが、こうした食品は採算が合わないようだから、入手は難しそうである。(4)

 そこで、どのような納豆が旨いのかわかるかもしれないと思い、「納豆大全」(5)というタイトルの本を読んでみた。

 この本によると、1990年代中頃に、味の大競争が行われていたようである。

 引用されているラベルのコピーが凄い。とても納豆とは思えない。嗜好品と同じである。

 先ずは、水をウリにする商品がある。「××水源のおいしい水でつくった」や「アルカリイオン水使用」というもの。
 発酵製品だから、「吟醸」「ほんづくり」「本仕込み」といった日本酒型の訴求も多い。さらに、「完熟」「じっくり発酵」「高発酵」「低温完熟発酵」「氷温熟成」「雪の下発酵」といった作り込み製品もある。熟成すると、豊かな味になるというのだが、そんなものだろうか。
 なかには「燻煙炭火」「石室炭火」といった方法を訴求するものがある。炭酸ガスが、まろやかにするらしい。(酸素不足環境で胞子量が増える効果)
 蒸し方も「一気蒸し」が語られている。

 もちろん、この他に、原料大豆での差別化がある。

 大豆以外で、一番の違いがでるのは、菌だと思うが、自家菌使用をウリにしたものは余り見かけない。
 と言う事は、おそらく、菌の製造元(6)が同じ製品が多いことを意味しそうだ。これでは、差は余り出ないのではないだろうか。
 (もっとも、自社菌による製品差別化を図っている大手メーカーもある。ここで勝負がつくかもしれない。)

 ・・・さあて、本当に旨いのはどれだろう。
 ちょっと調べただけでは、残念ながら、さっぱりわからなかった。こればかりは、食べてみるしかないようだ。

 --- 参照 ---
(1) http://www.natto.or.jp/minna.html
(2) http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/enq/040809/
(3) http://natto.com/kanpyo/nagoya/sokuho.html
(4) http://www.maff.go.jp/soshiki/nousan/daizu_genti/00_056_3.html
(5) 町田忍著「納豆大全」小学館 1997年
(6) 成瀬醗酵化学研究所、宮城野納豆製造所、高橋祐蔵研究所


 「食」の目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2004 RandDManagement.com