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■■■■■ 2017.7.10 ■■■■■


不断草の話

 ファームにて 夏菜出荷の 忙しさ
   夏菜はもちろん季語。不断草とされている。

ンスナバーは沖縄県では冬野菜としてよく使われているから亜熱帯地域の葉野菜とみなしがち。
  → 「沖縄の長命/短命化を眺めて」(2013.11.15)

ところが、不断草だと言われると、知っている人は多くはないようだが、あ〜、アレかとなる。耐寒性があるので、本州の比較的冷涼な地域で夏の食卓に茹でたものが登場するからだ。味付けは家庭によって違うようだが。
もっとも東京でも、時にフダンソウが並んでいることはあるが、小生は普段草ということかと思っていた。見かけがよくある葉野菜に似ていたから。

"不断"ということになれば、いかにも漢字熟語臭い命名だから見て、大陸の=葉用甜菜=牛皮菜が日本列島に伝わってきたのであろう。
  → "草のホトトギス"@[「酉陽雑俎」の面白さ」](2016.12.10)

現状の普及状況を考えると中国からの使節来訪が多かった沖縄を除けば余り人気が沸かなかったようである。

実は、この野菜を取り上げる気になったのは、ここのところ、この野菜を食べているから。
指定して注文した訳ではなく、畜肉ファーム通販の肉(+野菜)セットにたまたま入っていたため。
説明書が添付されており、不断草/Swiss chardと呼ばれており、法蓮草と同じアカザ科と記載されていた。確かに、昔多かったタイプの葉柄が太くて長く赤い色をしたものを巨大化したものに思える。
ただ、小生は、海岸の砂地に生える陸ひじき(ミルナ/水松菜)/無翅猪毛菜種の方が似ている感じがした。葉の外見は全く違うが、嫩葉を茹でて食べるという観点では、味がこちらに近いということで。尚、植物学では、トンブリとなる箒木/Broom goose-footが一番の近縁らしい。

欧州では、嫩葉は茹でずに生サラダで食べるようだが、サラダ用法蓮草的に軟くなるように育てられ、若いうちに出荷されたものでないと日本では生野菜としては食指は伸びないのではなかろうか。トルコになるともっぱらスープ用らしいが、葉柄も一緒に煮込んで使うからだろう。こちらもどうかネという感じがする。

などと考えていたのだが、最近は、思った以上に使われているようだ。不断草と言っても一概にこういう手の野菜と言えるようなものではなく、様々なものがあるから。・・・
注目点は、葉柄(+葉脈)の色違い。これがえらくカラフルとくる。現代の食卓にはピッタリ合いそう。
白というべきか、葉柄に色が無いタイプもあるそうだ。そうなると、色があるのは西洋不断草と呼ぶべきかも。

そうそう、スーパーに並んだりするタイプはこの色無し系である。暑さにも強く、ほぼ一年を通して栽培、収穫されていて、趙格安という地域もあるようだ。その地元、泉州地方では大人気らしい。葉野菜の品種改良と栽培技術の努力を水茄子同様にこの一品に賭けたのかも。
  → 岸和田野菜「うまい菜と厚揚げの煮物」
       @川崎利栄のきしわだレシピ(2016年03月15日)


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