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2000.6.14
 
 


通信機器メーカーの総合力…

 世界の通信機器ベンダーのトップ企業をCommunication Week Internationalが発表している。(No234 1999年11月15日)
 このデータによれば、98年の売上上位10社の顔ぶれは、北米5社(トップは268億ドル)、欧州4社(2位企業は232億ドル)、日本1社(8位で114億ドル)である。
 市場規模に比して、日本の存在感が薄いことが見て取れる。通信機器分野で日本だけが企業乱立という訳でもないから、日本市場の低迷とグローバル市場で戦える事業化推進の遅れと考えるべきだろう。

 象徴的なのは、売上推移である。対前年比で、ノキアが59%、シスコは31%という驚異的な伸びを実現した。ほとんどの企業が10%以上の伸びである。これに対して、例外的なのが、ランクインしている日本企業だ。マイナス20%なのである。いくら不況といえども、これは異常事態とはいえまいか。

 勿論、携帯電話で伸びるノキアやエリクソン、ルータ技術のシスコ、もともとの技術ベースが高度であるルーセントの成功と直接比較することは妥当とはいえまい。しかし、シーメンスやIBMといった歴史ある企業も成長を実現しているのである。特に後者は、コンピュータ技術は優れるが、通信技術を広く持っている訳ではないので、コンピュータ・通信融合には不利だという話しがまかり通っていた。しかし、現実は違う。18%もの高成長を遂げトップ10に登場したのである。

 日本企業はコンピュータと通信の基盤技術を培っているから飛躍できるというシナリオが広く信じられていた。理論的に見ても、産業の流れを見ても、技術の流れはその通りに進んだ。ところが、飛躍できる筈の企業が低迷している。日本企業の技術マネジメントと事業展開の仕組みが、時代の波と合わなくなってきた可能性が高い。


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