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2000.10.20
 
 


メインフレーム・メーカーの戦い…


 日本のメインフレーム・メーカーだけが世界の巨人IBMに対抗して成長を実現してきた。しかも、日本市場で善戦しただけでなく、欧米市場にも進出した。
 富士通が米Amdahl社に24パーセント出資したのが1972年。IBMコンパチブル路線を貫き、英ICL社を含めて、グローバル事業展開を進めてきた。

 その富士通が、1997年にはAmdahl社の買収を発表した。ハードウェア/ソフトウェアのグローバルスタンダード製品をタイムリーに開発、提供するとの方針説明であった。(http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/news/1997/Jul/31.html)

 しかし、梃入れにもかかわらず、状況は好転しなかった。というのは、メインフレームの低価格化は極めて激しく、ハードで収益をあげるのが困難になったからだ。ついに汎用機メーカーとしては、将来の見通しさえ描きにくい事業になってしまった。

 こうなれば、どうすべきかは、誰が見ても明白である。

 海外向けの次世代汎用機の投入を断念し、今後2、3年で撤退するとのニュースが掲載されたのは、2000年の秋である。(日本経済新聞 朝刊2000年10月20日)
 メインフレームは安価なUnixサーバーの波に洗われ始めていたから、いつか、こうなること予想されていた。サーバー市場が大きく伸び初めても、競争上、出費が嵩む汎用機の開発投資を簡単には切れなかった。経営資源をサーバー分野に投入できず、みすみす成長機会を逃がしてしまったのである。


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