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2001.7.5
 
 



光ファイバー容量拡大のブレークスルー…

 2001年6月28日の発表によると、光ファイバーの通信容量の理論限界は100テラバイト、とのベル研の科学者の論文がNatureに掲載された。(http://www.lucent.com/press/0601/010628.bla.html)(尚、Natureはホームページから内容が見れる。)

 雑音問題と相互干渉に対処できれば、一本の光ファイバーで1頁のeメールなら毎秒200億通が送れることになるという。ついに産業界の研究が、文字通り量子論の世界に入ったのだ。

 これだけの大容量が実現できるポテンシャルがあるとすれば、現在用いられているルータやスイッチの寿命は極めて短いと見るべきだろう。これから10年のうちに、長距離・バックボーン通信インフラは光ファイバーと光スイッチによって大きく様変わりすると思われる。
 ベル研の研究は、科学者の挑戦というより、ユーザーニーズに応えたものである。敷設した光ファイバーの大容量化が図れるなら、産業界から大歓迎されるのは間違いない。

 一方、光ファイバーを全国に張り巡らしながら、ほとんど空いている状態が続く国では、こうした研究は一部のラボだけで終わる可能性が高い。たとえベル研にラボ技術で追いついたところで、国内市場が無いのだから、産業技術を磨くことはできまい。
 送信データ量当たりで見ると、日本の通信料金は極めて高額なものが多い。にもかかわらず、ほとんどのユーザーは、この状況に甘んじている。ということは、大容量通信のニーズ自体が極めて薄いのだ。このままなら、大容量通信の技術開発競争に参加することさえできないのではないか。


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