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2002.7.18
 
 


次世代メモリーの動きが急だ(1)…

 いよいよMRAMの登場が間近に迫ってきた。2002年6月、モトローラがついに1MビットMRAMを発表した。2003年サンプル出荷、2004年商用化が実現しそうだ。(http://www.motorola.com/mediacenter/news/detail/0,1958,1499_1158_23,00.html)

 MRAMは磁気ディスクを半導体化したようなものだから、製造で一番難しいのは磁性膜の反応性エッチングプロセスだと予想される。1Mビット作成に成功したのだから、この技術にほぼ目処がついたのだろう。
 そうなると、次は、ICチップでの混載に進む。CMOSとはプロセスが大きく異なるから困難と思われるが、モトローラは解決可能と考えているようだ。
 フィリップス、STマイクロエレクトロニクス、TSMC(台湾のファウンドリー企業:台湾の工業技術院ITRIとMRAM開発を行っている。)の3社がフランスの研究施設で行っている、300ミリウエハでの90ナノCMOS製造プラットフォーム開発への参加を表明したからだ。組み込みMRAM技術を提供し、SoC(システムオンチップ)化を一挙に実現する意向のようだ。
 高価なSRAM、混載が難しいDRAM、書き込みが遅い不揮発メモリのフラッシュといったメモリを一挙にNRAMで代替しようとの目論見といえよう。

 成功すれば、メモリ体系が一気に変わる。

 尤も、業界通は、MRAM登場で大変動が起きるとは見ないようだ。新メモリセグメントが立ちあがるだけ、との予測が多い。
 しかし、本当だろうか。

 おそらく、MRAMの最初の用途は、高速サーバのキャッシュメモリだろう。この市場が立ちあがれば、コストの大幅低下も可能になる。そうなると、様々な形で使われ始める始める。究極的には、磁気ディスク代替もありえる。今のパソコンは磁気ディスクから立ち上がる仕組みだが、MRAMから立ちあがれば瞬時にコンピュータが動く。OS(DOS)も一変する。
 磁気ディスク開発の歴史を振り返れば、このような未来も「夢」と片付ける訳にはいくまい。

 [誤植] 誤NRAM→正MRAM(Magneto-resistive RAM or Magnetic RAM) ・・・2003年9月2日読者の方からのご指摘

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