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2002.11.5
 
 


液晶パネル技術競争の行方…

 2002年10月30日、日韓台の企業が揃ったフラットパネルディスプレイ展示会が開幕した。先端液晶パネルは、シャープのシステム液晶とフィルム基板液晶を除けば、大型化と高細密化一色だった。

 液晶の大型化では韓国企業の一人舞台といえよう。サムスンはなんと46インチの巨大液晶パネルを発表。LGフィリップスの出展は42インチだった。
 サムスンは2002年4月のEDEX2002で40インチを発表したばかりである。2000年末から約10ヵ月間36人を投入し2001年に完成したと述べ、実力を誇示した。(http://www.samsung.co.jp/news/group/ng010822.html) 30インチ開発は1997年だが、これ以上大きくしてもプラズマディスプレーが存在するから意味は薄いと言われていたにもかかわらず、競争の結果、結局40インチを越えてしまった。
 基板の大きさを考えると、50インチ2枚取りが実用限界だろうから、この辺りで大型化競争は終息し、小型から順次熾烈な価格競争に入ることになろう。

 すでに、日本サムスンの液晶モニター小売価格は、19型が109,800円、17型が59,800円まで低下している。(http://www.samsung-shop.eins.ne.jp/html/news/n_021101_01.html) 現在の売れ筋15インチから、はやくも17〜19インチに主力を移し始めている。液晶テレビも小売価格が40型が798,000円、29型が398,000円まで低下した。(http://www.samsung-shop.eins.ne.jp/html/news/n_021025_02.html)
 中国テレビ業界のリーダー四川長虹も、韓国企業等との協力関係の下、2002年に液晶事業部門と研究所を設立し、液晶モニター/テレビに参入した。低価格化競争激化必至だ。(http://news.searchina.ne.jp/2002/0830/business_0830_003.shtml)

 ここまで価格が低下すると、パネルコストだけでなく、関連部品トータルのコストが効いてくる。そうなると、ICも自社製の韓国企業は優位だ。サムスンのLSI事業部門のトップは、液晶ドライバーで2005年までに世界1位の地位を獲得すると語っている。(http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2002/08/27/20020827000023.html)
 このような韓国の液晶産業の急成長に応じて、ついに液晶材料メーカーのメルクが韓国に研究開発センターを設置する。(http://www.hankooki.com/kt_tech/200208/t2002082618064845110.htm)
 韓国勢は材料の研究開発でも先端を歩むことになりそうだ。

 大画面化と並んで、超高細密化競争も激化している。1600×1200画素や1920×1200画素が実用領域に突入し始めている。こちらも、限られた企業の戦いだ。東芝は3200x2400画素の20.8インチ、LGフィリップスは3200x2400画素の15/20.1インチ、シャープは2560x2048画素の28.3インチを出展した。
 今のところ、シャープが圧倒的力量を示している。
 30インチ高細密CRTがあるらしいが、暗い上に(平米100カンデラ)、大きくて重い(100キロ)。その上大型高細密は地磁気の影響で調整も難しいという。新しい市場が開けそうである。(http://www.sharp.co.jp/corporate/rd/journal-80/pdf/80-10.pdf)


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