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2003.6.17
 
 


NASAの航空機開発力の凄さ…

 「太陽電池で飛ぶ飛行機」とは純粋の実験機にすぎない、と思っていたが、商用化可能かもしれない、という気になった。

 2003年7月7日のNASA発表によれば、SunPower製の太陽電池パネルで駆動する10個のモーターを搭載した翼長247フィート/重量2,400ポンドの航空機の試験飛行に成功したという。かなりの大型である。(http://www.dfrc.nasa.gov/Gallery/Photo/Helios/HTML/ED03-0152-1.html)

 この飛行機は、燃料電池でも駆動する仕組みであり、夜間飛行も可能である。最終目標は、高度5千メートル、2日間の飛行だ。

 この手の話しは昔からよく聞かされてきたので、ほとんど注目されない。単に、実験が行われた、との印象しか与えないニュースだから、当然かもしれない。
 しかし、これからは、この程度の試験飛行にも注目せざるを得ない。短期間で、実用化されるかもしれないので、目が離せないのである。

 というのは、2003年7月9日に、同じく、NASAが、軍用の「MQ-9 Predator B」の翼長を伸ばした飛行機の試験飛行に成功した、と発表したからだ。

 軍用なら、無人操縦の航空機など珍しくあるまい。これも、航空機ファン位しか興味が湧かないニュースに映る。
 ところが、一点だけが、今までの発表と大きく違う。無人操縦で民間飛行場から飛ばせる、との話しが、この発表に含まれているのだ。

 いくらなんでも、無人操縦では、そこまでの安全性と信頼性の保証は無理、と考えるのが常識だろう。この常識に反し、今回の実験で用いた飛行機は、Federal Aviation Administrationによる有人航空機規制を満たすという。(GA-ASIとの共同開発http://www.dfrc.nasa.gov/Newsroom/NewsReleases/2003/03-26.html)

 もし本当なら、ブレークスルーといえよう。
 無人飛行機の離着陸がそこここで見られるのも夢ではなくなる訳だ。

 10年程度の歳月で遠隔操作や危険防止が完成域に達したなら、脅威的スピード開発だ。間違いなく、シュミレーション技術のお蔭と思われる。
 そうだとすると、今後は、このシュミレーション技術が他に転用されていくことになる。潜在的成功可能性が高い航空機なら、資金さえ投入すれば、目標達成が難しくない時代が到来したのである。


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