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■■■ 日本の基底文化を考える [2018.8.27] ■■■
鳥崇拝時代のノスタルジー[48]
−隹 v.s. 鳥−

「説文解字」では、「鳥」は"長尾禽總名也"で、「隹」は"鳥之短尾總名也"とされているが、そう考えてしまうと「隹」系デリバティブ文字への流れがわかりにくい。「鳥」系にしなかった理由が思いつかぬ訳で。
と言っても、雄 雌や、準 集[←雧] 雑[←雜] 隻 准があるので、普段はそうは感じない訳だが。
 雖 𨾴 𩀏/難
 誰
 進・携・難・離・應

そもそも長短とは相対的な概念。長いが短くもあるという考え方ができる訳があるまい。にもかかわらず、《隹&鳥》文字が存在している。まさか、長短の中間という意味でもなかろうし。それに、尾長という表現が別途存在するのも解せぬ。
 【鳥+隹】鵻 䳡 𪂣 𥩏

どちらの姿だろうが、トリは囀る動物であり、その行為を尾の長短で分別表示する必要があるとは思えない。鳥と隹にはもっと根本的な違いがあると見るしかなかろう。
 【口+】鳴⇔唯⇔𪄼/鷕
 【句+】鴝⇔雊

実は、様々な鳥を眺めていて気付いたのである。これほど説得力に欠ける説をそのまま受け入れていたことに。まさに愕然。
  →「トリ文字考」[2014年7月19日]

トリを意味する漢字の部首は「鳥」で表現するように決められていた感じがする。
"烏カラス"はご存知のように、"鴉"がある訳だし。"燕ツバメ"にしても、ほとんど使われないとはいえ、用意されているからだ。
 【燕+鳥】䴏/𪈏
と言っても「隹」部首で頻繁に使う文字はある。そのような文字であっても、「鳥」部首への変更も可能。
 【厂+人】雁⇔鴈ガン/カリ⇔𪆒
 【矢+】雉キジ⇔鴙
     ≒�H(正確には山鳥)
 【小+】雀スズメ⇔𩾟
     =[閩南語]厝鳥
文字を違えたからといって外面的な差を表現したかったとは思えまい。どの道生物学的同一種なのだから。
異なる鳥文字を用いる場合も。
 【十+隹】隼/鶻=鸇ハヤブサ⇔鶽/𪄩

こちらは、「隹」部首の方がマイナーだが。
 【且+隹】雎=鶚/鵃ミサゴ⇔鴡

もちろん、《隹&鳥》の文字もある。
 鶴ツル
 鷹タカ
  𪈠𪈲𪈾𫠕
 鸛コウノトリ
  →𪈸𪈻
 (他:不詳)
    鷦𪆄
    鸖
    鸜𪈴
    鸐

    𪄾䳽𪈥𪇡𪇦𪇉
    𪆅
    鸌𪆳

考えてみれば、「春秋左氏傳」の時点で、儀式上の名称系の「隹」部首漢字の意義は失われていたということか。・・・
成王之時[B.C.1115-B.C.1079]、越常獻雉、倭人貢暢[王充「論衡」巻一九恢国篇]
我高祖少�r.摯之立也.鳳鳥適至.故紀於鳥.為鳥師而鳥名.
 鳳鳥氏歴正也.…鳳鳥:"歴正"担当官職名
 玄鳥氏司分者也.…燕:"春分秋分"担当官職名
 伯趙氏司至者也.…伯勞=百舌鳥:"夏至冬至"担当官職名
 青鳥氏司啓者也.…鶯:"陽気啓"担当官職名
 丹鳥氏司閉者也.…山鳥:"陰気閉"担当官職名
 祝鳩氏司徒也.…山鳩:"人民司徒"担当官職名
 雎鳩氏司馬也.…鶚:"司法"担当官職名
 鳲鳩氏司空也.…郭公"土木"担当官職名
 鷞鳩氏司寇也.…鷹:"治安"担当官職名
 鶻鳩氏司事也.…数珠懸鳩"宮廷"担当官職名
 五鳩.鳩民者也.…鳩:"聚集"
    [「春秋左氏傳」昭公十七年]

─・─ 鳥文字 ─・─
  →「水鳥」[2010.8.31]
  →「山鳥」[2010.9.1]
【翟】鸐オナガキジ
【庶】【古】鷓鴣シャコ
【享】鶉ウズラ
【爫/爪夫】【奚】山鶏/雞ヤマドリ
【閑】白鷴ハッカン
【糸言糸】「鸞鳥」
       └→青鸞セイラン
【𠘨一】「鳳凰」…迦楼羅
       └→鳳冠鳥ホウカンチョウ
【朋】「鵬」…鯤
【甲】【邑】鴨カモ 𪁨𪁗
【倠】【𠌵】雁/鴈ガン
【敄】鶩アヒル
【我】鵞鳥/鵝ガチョウ
【江】「鴻」…大型水鳥
       └→鴻雁ヒシクイ
【夗】【央】【溪】【勅】鴛鴦/鸂鶒オシドリ
【有】䳑鴨トモエガモ
【九】鳩ハト
【肙】杜鵑カッコウ
【是】【夬】鶗鴂ジュウイチ
【隺】鶴ツル
【番】鷭バン
【几】鳧ケリ
【晏】鷃ミフウズラ
【矞】【田】鷸シギ
【区/區】鴎/鷗カモメ
【辟】【虒】【入】鸊鷉/鳰カイツブリ
【雚】鸛コウノトリ
【告】鵠ハクチョウ
【盧】【胡】鸕鶘ペリカン
【路】鷺サギ
【𠤏】鴇トキ
【弟】【盧】【兹】鵜/鸕鷀(鶿)ウ
【壹】鷧カワウ
【兒】鶂ヘビウ
【雁】鷹タカ
【就】鷲ワシ
【弋】鳶トビ
【亶】鸇サシバ
【狂】鵟チュウヒ
【䍃】鷂ハイタカ
【周】�Gクマタカ
【帝】【肩】鶙鵳ノスリ
【咢】【且】【舟】鶚/雎/鵃ミサゴ/鴡
【木】【氐】【号】【服】梟/鴟鴞/鵩フクロウ
【十】【骨】隼/鶻/鸇ハヤブサ/鶽/𪄩
【嬰】【武】鸚鵡オウム
【貝】【狊】鵙←鶪モズ
【*】【牙】【亞】烏/鴉/鵶カラス
【判】鵥カケス
【昔】鵲カササギ
【倉】【庚】鶬鶊ヒバリ
【卑】鵯ヒヨドリ
【燕】䴏/𪈏ツバメ
【𤇾/炏冖】鶯ウグイス
【刀】鳭ヨシキリ
【焦】【�ォ】鷦鷯ミソサザイ
【東】【重】鶇/䳯ツグミ
【翁】鶲ヒタキ
【脊】【令】鶺鴒セキレイ
【旨】鴲シメ
【角】【尸】鵤/桑鳲イカル
【弱】鶸ヒワ
【易】鶍イスカ
【巫】鵐ホオジロ
【_】鶴ツル
【_】鷹タカ
【_】鸛コウノトリ
【矢】雉キジ/鴙
【小】雀スズメ/𩾟
【燕】燕ツバメ/䴏/𪈏
[→鳥類分類で見る日本の鳥と古代名]

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