[→本シリーズ−INDEX]

■■■ 日本の基底文化を考える [2018.9.12] ■■■
鳥崇拝時代のノスタルジー[63]
−群れて喧しい鳥−

群れて喧しい鳥。それは、「群来鳥」こと"椋鳥"。ヒトの近くで大集団の塒を形成することが多い。それが一番安全だからだろう。昔だと、大木となった「ムクの木」が好まれたようだ。しかも、もともと果実に目がないから、椋の実も御馳走だし。
この樹木だが、皮が剥ける特徴があり、それが語源との解説が多い。そうだとすれば、椋は当て字ということになろう。「ムクの木」は大陸では"叶樹"であり"椋樹"ではないからだ。「説文解字」では"椋樹"とは"木"とされており、この木は"熊野水木クマノミズキ"。
普通に考えれば、中国名を採用せず、ムクドリ来訪の木ということで名付けたと見るでは。[→]

この鳥は、何故に、こうまでも喧しくする必要があるかと思う程、群れると大音響を発する。通称、噪林鳥だが、その名前の方方がしっくりくる。
鳴管がとてつもなく丈夫にできているのだろうか。
鳴き声のパターンも色々あるから、TPOに応じて適宜選ぶのだと思うが、集団になって大騒ぎするのは、それが天敵忌避効果抜群ということなのだろう。

近縁種に南方棲の八哥鳥//寒皋がいる。こちらも負けず劣らず騒がしく鳴くことで知られる。(「山海経」中山10山系のも同じと言われている。)[→]
南方では、一緒になって群れていたりもするようだ。

近縁はこのように。
┌─真似鶫マネシツグミ@米州
┌┤
││┌─>フィリピン(遺存種) 木走擬キバシリモドキ
││┌┤
│││└─>東南アジア/太平洋
│││┼┼┼┼椋鳥/噪林鳥ムクドリ
│││┼┼┼┼八哥(叭呵)鳥ハッカチョウ
│││┼┼┼┼九官鳥/鷯哥キュウカンチョウ
│└┤【椋鳥類】
│┌─>ユ−ラシア
└┤
┼┼├─>アフリカ
┼┼└─>マダガスカル

└──牛突ウシツツキ@アフリカ中央〜南部サバンナ…他の動物の「掃除屋」

こうして眺めるとビックリである。
真似鶫マネシツグミ、八哥鳥ハッカチョウ、九官鳥キュウカンチョウは物真似上手で有名だからだ。
豪州勢に決して引けをとらないのではなかろうか。
 [笛烏系]灰色百舌烏ハイイロモズガラス@豪州マングローブ地域⇒街中進出
 琴鳥コトドリM@豪州東部森林地帯
 鸚鵡オウム類@オーストラレーシア
 鸚哥/音呼インコ
[→鳥類分類で見る日本の鳥と古代名]

  本シリーズ−INDEX> 超日本語大研究−INDEX>  表紙>
 (C) 2018 RandDManagement.com