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■■■ 今昔物語集の由来 [2020.8.22] ■■■
[419] 粥投擲
段成式:「酉陽雑俎」前集卷五詭習(奇怪習俗)#205"大道芸"には、手を欠損し、足でなんでもこなす人が、右足の指で筆を挟んで、往来で写経することで生計を立てている話が収載されている。[→]
小生は、さほど驚くような話ではないと思うが、大衆的話題として流布したに違いない。本質的には俗っぽい話以外の何物でもないのだ。ところが、話題の主が敬虔そうに映ると、インテリも注目しがち。頭デッカチの欠点では。

題材は全く違うが、同様なセンスで収載しているように映る話がある。
  【震旦部】巻十震旦 付国史(奇異譚[史書・小説])
  《36-40 他》
  [巻十#37] 長安市汲粥施人嫗語
 長安の市で、粥を多量に作って振舞う嫗がいた。
 市を行きかう人々の数は膨大で、
 日の出から、日の入り迄、市門を出入りする人に、
 門前で粥を沢山煮て用意し、
 百どころか千もの器を並べ置き、
 作った粥をその器に盛って、人々に食べさせることで、
 功徳を積んでいたのである。
 始めの頃は、
 その粥を杓
[湯勺/杓子]に汲んで、
 あわただしく器に入れていた。
 しばらく年月を経て、巧みになって来たので、
 1〜2丈離れた所から、杓に粥を汲んで投擲。
 塵許も溢さずに器に入れることができた。
 さらに、年月を経て、功徳も積み上がって来ると、
 4〜5丈離れた所から、杓に粥を汲んで投擲するように。
 露ほども溢さないのである。
 それを見た人は、
 「然らば、何事也と云ふとも、
  年来の功入らば、此の如く有るべき也けり」
 と言い合ったのである。


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