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■■■ 「古事記」解釈 [2021.10.24] ■■■
[296] 聖徳太子無視ではなさそう
どう考えても教説話集とは言い難い「今昔物語集」では、明らかに日本の3仏聖を、聖徳太子、役行者、行基と見なしている。「古事記」成立時で見れば、聖徳太子を無視できる訳がないと思うが、仏教については一切触れない方針のせいか、ほぼ無視しているように映る。
ただ、下巻の最終段階の天皇代は、中巻の2〜9代の天皇代と対称をなすかの如く、ほぼ系譜のみの記載方針なのだろうから、止むを得ないとはいえ。

系譜情報は、バラバラにされており、「記紀」混淆は激しく、意図的な割愛や文字改定したものだらけなのが実情だし、素人からすれば整理自体が退屈で知的地劇がほとんど感じられないので、どうしてもいい加減に眺めて通り過ぎることになるが、それでも気にはなるのでミスだらけではあるものの度々系譜を書いて来た。
そのため、色々な気付きが生まれて来た。
どうでもよいようなことではあるものの。

聖徳太子の位置付けにしても、系譜から読めることがある。
系譜では特段の記載事項が無いので、天皇扱いをしていないように見えるが、敬称をみれば天皇と同等ということになろう。
もちろん、"上宮"という地名を言っているのではないし、耳はかなり一般用語でもあり、名称が長いをいうこともあるが、そういう話とは違う。
敬称が神扱いで、天皇と同格ということになろう。(天皇の称号はあるものの、表記上そうなっていない場合もあるというに。)

たまたまそうしたということではない。
女系で皇統譜存続を支えたと見なせる皇后/妃にも同様に配慮していることが見えるからだ。・・・

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│●上宮之厩戸豐聰耳
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【コメント】720年成立の「日本書紀」には太子の、所謂、十七条憲法が収録されており、太安万侶がそれを知らないことなどありえまい。いかにも行政法的な内容であり、ベースは儒教そのもの。本来的には法家的な思想が基調たるべき書。一般には、仏教的とされるが、素人の小生が読んだ印象からすれば、仏教は部分的なオブラートとしての存在に映る。文章的には、中華帝国の科挙合格者が書く手の漢文とは全く異なっている。

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