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■■■ 「古事記」解釈 [2024.5.29] ■■■
[903] 24
個人的には興味があるが、考えても無駄な気がする領域にも、足を踏み入れてみたい。
それは≪笑い≫。

はなはだ個人的で密やかなものもあれば、集団の共笑いもあって、余りに様々。そのため、分類自体が困難で、"とりあえず"こうしてみましたレベルの提案が乱立してしまう。その原因は自明で、何故にヒトは笑うのかは現時点ではさっぱり分かっていないから。
このことは、分析力の及ばないことを見せつけているともいえ、直観力の本質を考えるには最適な題材とも言える。ただ、極めて難しく、迷路に迷い込んで抜けられなくなること必定。
(そこらは、「酉陽雑俎」⇒「今昔物語集」⇒「古事記」と読み進んで来た実感。→洞察力を高める画期的な書「酉陽雑俎」の面白さ "段成式のエスプリの結晶…唐代という時代の枠を超越"
「今昔物語集」に至っては、とても仏教説話集とは思えず、正直な印象としては、"ヲコ"話を中心に面白話を集めてみました集である。要するに、知的水準の高い人向けのサロン談論の題材を集めてみたようなもの。)

そんな状態なので、とりあえずいい加減な分類を作ってみた。・・・
laugh at〜  笑い声を上げる 哄笑
  ハハハ 假笑
  ハッハッハッ 爆笑
  ケラケラ 開笑
smile at〜  "咲む"
  −  微笑
guffaw at〜  高笑い 大笑
snicker at〜 せせら笑い 冷笑
  ヒッヒッヒッ 堪笑
  オッホッホ 得意笑
  ヘラヘラ 屈折笑
  プッ 噴笑
grin at〜  ニヤニヤ 坏笑
chuckle to oneself  クスクス 含笑
giggle   フフフフ 忍笑

さてそこで「古事記」だが、"笑い"として記載されていそうな(<笑>文字非使用)シーンは限定的だが、上記的分類からすればほぼ網羅的ともいえそう。
勅撰譚とすれば、豊富な知識がある上に、頭脳明晰な天皇だったことがわかる。稗田阿礼の類まれな才能発揮を見せつけられ、太安万侶はそれを早くに見破ったようだ。・・・

---大集団の大爆笑(原初"笑い")---
㊤㋜速須佐之男命 (但し、ここは天照大御~のみ) ④天石屋戸
  爾 高天原 動 而 八百萬~共咲・・・
  ・・・「・・・何由以 天宇受賣者爲楽
             亦 八百萬~諸咲」
  爾 天宇受賣白言「u汝命 而 貴~坐
             故 歡喜樂」

--恋の成就で自然に湧き騰がってくる嬉しさからくる微笑み---
㊤㋔大國主~ ⑦高志國(沼河比賣) 【歌】
  阿遠夜麻邇あをやまに 比賀迦久良婆ひがかくらば 奴婆多麻能ぬばたまの 用波伊傳那牟よはいでなむ
      阿佐比能あさひの 
恵美ゑみ佐加延岐弖さかえきて
  青山に  青き山に
  日が隠らば  太陽が隠れてしまったら
  射干玉の  "ぬばたま"の(様に真暗き)
  夜は出でなむ  夜が表れてしまいます
  朝日の  (命は) 朝日の(様に)
  笑み栄え来て  晴れ晴れと微笑んで来てくれ

---勝利に沸き返る宴会での兵士定番歌(殲滅した敵への嘲笑)---
㊥❶~倭伊波禮毘古命 ㊆道臣命・大久米命 【歌】
  <疊疊> エエ 志夜胡志夜しやこしや 此者こは"伊碁能布曾"いごのふぞ
  <阿阿> アア 志夜胡志夜しやこしや 此者こは嘲咲者也(あざわらふぞ)
  "疊々" しや越や  エ〜エ〜
  此は威のごふぞ  これは握りつぶすべきもの
  "阿々" しや越や  ア〜ア〜
  此は嘲咲らば  これは嘲笑もの

---酒を振舞われ気分上々と謝意マナー的笑み---
㊥⓯品陀和氣命 ㊄百濟國主貢上 【歌】
  須須許理賀すすこりか 迦美斯美岐邇かみしみきに 和禮惠比邇祁理われゑひにけり
  許登那具志ことなくし 惠具志爾ゑくしに 和禮惠比邇祁理われゑひにけり
  すすこりが  ススコリが
  醸みし御酒に  醸造した御酒に
  我酔ひにけり  吾は酔ってしまいました
  事無奇酒  (災厄を祓う)平安なお酒で
  笑奇酒に  笑みがこぼれるお酒で(もあるので)
  我酔ひにけり  吾は酔ってしまいました

---社会ルール逸脱者への軽蔑的笑い---
㊦⑲[弟]男淺津間若子宿禰命㊄木梨之輕太子・伊呂妹輕大郎女
  「・・・若兵及者 必 僕捕以貢進」・・・
    故 大前小前 捕其輕太子 率参出以貢進

---小僧の一丁前仕草に対する侮辱的冷笑---
㊦㉒[御子]白髮大倭根子命㊂針間國志自牟之新室
  ・・・如此相讓之其會 人等其相讓之狀


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