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■■■ 「古事記」解釈 [2023.1.10] ■■■
[歌鑑賞99]少女のい隠る丘を
【天皇】袁杼比売に求婚
袁登賣能をとめの 伊加久流袁加袁いかくるをかを 加那須岐母かなすきも 伊本知母賀母いほちもかも 須岐波奴流母能すきはのるもの
㊄(4-7)-(5-6)-7

    又 天皇婚丸邇之佐都紀臣之女 袁杼比賣 幸行于春日之時
    媛女逢道 即 見幸行 而
    故 作御歌 其歌曰

少女の  お嬢さんが
い隠る丘を  逃げ隠れている丘を(探すなら)
金鋤も  金属製の鋤が
五百箇もがも  沢山あったらよかったんだが
鋤き撥るもの  鋤き払ってしまえば、(石の如くに)撥ね出てくるのだから

歌垣でも、掛け合いの決着がついて即婚姻合意に移る訳でなく、女性が逃げてそれを男性が追って捕まえて成立という次第になっている。袁杼比売は、天皇に出会ってすぐに逃げ隠れてしまったので、必ずしも当て嵌るとは言えないが、その男性が天皇だったことを知ると婚姻承諾となるから似たようなものだろう。

天皇からすると、丸邇との関係を強化する必要があり、十分お膳立てされている筈。金鋤が突然に出てくるのは、鉄器調達で重要なポジションにあることを意味していそう。現代の春日地区にはそのことを示していそうな地名も遺構も全くないが。

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