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2007.5.16
 
 


スパムメールの話…

 “I think it's possible to stop spam,”(1)というあたりが、アンチスパムソフト(フィルターをかけるプログラム)の発祥らしい。2002年の夏のことである。

 スパムフィルターソフトも最近は相当強力になってきたが、その副作用も少なくない。
  → 「アンチスパムは厄介な問題だ」 (2007年1月10日)

 しかし、今もって、すり抜けるメールを送りすける輩がいる訳で、専門家同士の戦いが何時までも続いている。
 この先も、同じようなアンチスパムソフトを、様々な組織が延々と開発するつもりなのだろうか、とうんざりする。

 ・・・などという真面目な話をしたいのではなく、実は、スパムメールを集めた話にでくわしたから。
 ゴールデンウィークに買ったがロクに読まずほったらかしにしてあったのだが、捨てる前にチラと見たら、たまたま、そんな話題。
 「英語メールで読めた世界の俺へのニーズ」と題したコラム(2)にあたったのである。

これ、奇抜な調査を敢行し、その結果を大胆にまとめるという連載もの。

 このコラムによると、英文スパムメールは平均1時間に2本到来するという。もっと多い感じもするが、この辺りが日本の平均的なところなのだろう。
 中味など見たことはないが、どうせ、アダルト、薬、金儲けに決まっている。これに、違法コピーが加わるというところ。
 この分析によれば、バイアグラがダントツの17%。これを含め、強壮薬メールが3割を占めているようだ。アダルト+薬のような商品だから、当然という気はする。
 こうしたメールのなかには、日本から見ると、かなり違和感を抱くような、露骨な画像付があるそうだ。
 日本は、英語の世界とは違い、大人しいというのが筆者の見方だ。

 しかし、シマンテックの調査(3)によれば、2006年下半期から、金融分野のスパムが上半期の12倍の30%に増加し、健康23%、一般商品24%というのが本格的な分析結果。アダルトは4%にすぎない。(4)トレンドはかなり違う感じもする。

 日本語のスパムメールなど、ちらりと件名をみただけで、大半はアダルトである。
 この状況を見ると、日本人は露骨なものはお嫌いだが、アダルトその ものは世界一大好きなのかもしれない。

 おそらく、到来したスパムメールを分析する好事家は沢山いるだろう。しかし、それだけなら奇抜とは言い難い。このコラムの特徴は、英文のソフトでメールを翻訳し分類し、ウケを狙った点。
 なにせ、翻訳文が奇妙奇天烈だから、笑いをさそう。

 ただ、「 下ネタから米国政府批判に進む」スパムメールあり、との話は頂けない。
 “寝室で忘れていた彼女のために、・・・”で始まり、“土曜日に街頭デモをしてください。”で終わるという類のもの。
 確かに、“土曜日の間イラクの民間人は殺されるのと34標準手続きであり”との訳文がでてくれば、そう見えるのかも知れぬが。

 もっとも、スパムメールは面白いということで、翻訳文を紹介し合って楽しんでいる人達もいそうだ。

 しかし、そんなことができるのも、今のうち。
 そのうち、あちこちのブログをスパムコメントが襲うことになろう。日本語のブログに対して、おそらく機械翻訳で記入する。そうなると、毎日なんだかわからない文章を消す作業が加わることになろう。
 それでも、笑って、どんなスパムか分類できるならたいしたものだ。

 --- 参照 ---
(1) “A Plan for Spam” http://www.paulgraham.com/spam.html
(2) 堀井憲一郎「ホリイのずんずん調査」 週刊文春 2007年5月3/10日号
(3) 「シマンテックAPJインターネットセキュリティ脅威レポートVol.XI」記者説明会リポート[竹内充彦@RBB 2007年3月27日]
  http://www.rbbtoday.com/news/20070327/40132.html
  (Vol.X: 2006年9月) http://www4.symantec.com/Vrt/offer?a_id=30148
(4) http://www.rbbtoday.com/cgi-bin/news/pict/20070327/40132/jpg/40132-symantec09.html


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