スキンヘッドオジサンの話 (20130727)

■■■ 聞き耳アワー　2013.7.27 ■■■

スキンヘッドオジサンの話

「暑い日は毛がなくて爽快でしょうな。うらやましい。」
イヤー、大丈夫か、そんなこと言って。

とても知り合い同士とは思えないのだが、胡麻塩頭のジイサンが、突然、スキンヘッオジサンに語りかけたのである。車はもしかすると大型ジャガーかという雰囲気アリアリのお方。そう思うのは、これでサングラスでもかければ、どう見ても、拙者反体制派と看板を掲げていそうな雰囲気の御仁なのだ。

火花散るかと思いきや、両者話が弾んだのである。

「イヤー、すっきり爽快。」
「なんと言っても、ヒトが寄り付かないのがイイ。ハハハ。」
なるほど。ソリャそうだ。

ジイサンすかさず帽子のことを聞く。
うーむ、興味津々のご様子。
確かに、毛がないのだから、帽子を忘れたら陽の光直撃で一発でどうにかなってしまうだろう。
でも、たいした問題ではないようだ。被らないスッキリ感命のスタイルということらしい。
それなら、どうでもよいものかというと逆。
「帽子には凝りますヨ。これひとつで、女の子に好かれるんダカラ。イヤー、ハッハッハ。」
なるほど。スキンヘッドにしている理由もその辺りか。人当たり良く、冗談を連発するのも、しっかり鍛えてきた成果だ。ひょっとすると、女の子が好きそうなワンちゃんを連れて散歩するタイプの可能性も。

どうも、ジイサンはスキンヘッドに挑戦したがっているご様子。全体が白髪化しているとはいえ、山盛り状態の毛をわざわざ刈ることはないと思うが。
どうも、「風呂の後の気持ちよさがタマラン。」の一言が心を揺さぶった模様。熱いドライヤーは耐え難し感がありそう。髪フサフサも結構厄介らしく、寝癖直しが難しくてこまっていることも、羨ましさを煽る理由のようだ。
そんなことで、執拗に手入れの仕方を訊く。これに対して、スキンヘッドオジサンこれまた懇切丁寧に教えてくれるのである。

聞いていると、お手入れはなかなか大変なようだ。
「最初はカミソリで血だらけですヨ。」と恐ろしいことを言う。半分冗談かと思ったがどうもそうでもなさそう。スキルが必要なようだ。剃ることに対する皮膚の慣れと、手の訓練の話だと思ったら、道具選びが肝とか。当然ながら、それにはたいそうな時間がかかる訳だ。

面白いのでもっと聞いていたかったのだが、残念ながらここまで。目を閉じて顎まで湯に浸かってじっと熱さに耐えながら聞いていたのだが、ついに茹だってしまい、ここで湯船から上がってしまったのである。
夏の温泉はガラガラ。一人で大風呂堪能はできなかったが、オモシロ話が聴けたからヨシとしよう。
そうそう、風呂場から出る際に履物を見たら、鼻緒だけで２万円を下らなさそうな雪駄があった。

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