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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2018.1.20 ■■■

唐詩人[方干]

"方三拜"と呼ばれている方干[809-888年 836-903とも]だが、進士でも及第せず。紹興 鑑湖で隠棲し吟咏を愛したようで、門弟は少なくなかったようだ。
[「全唐詩」卷六百四十九/六百五十]

そんなこともあってか、"官無一寸祿,名傳千萬里"と評されたという。しかし、詩で名をなしたというほどでもなさそうだが。多分に南方の道教的な味わいがあって、それが魅力的だったということかナ。
   「送鏡空上人游江南」
 去住如云鶴,飄然不可留。何山逢后夏,一食在孤舟。
 細雨蓮塘晩,疏蝉橘岸秋。應懷舊溪月,夜過石窗流。


と言っても、技巧的な感じがしないでもない。
   「牡丹」
 借問庭芳早晩栽,座中疑展畫屏開。
 花分淺淺臙脂臉,葉墮殷殷膩粉腮。
 紅砌不須誇芍藥,白蘋何用逞重臺。
 慇懃爲報看花客,莫學遊蜂日日來。


松と鶴に孤猿と、典型的画材で、早-低と悩-迷を読み込む訳だし。
   「書法華寺上方禪壁」
 砌下松. 有鶴棲,孤猿亦在鶴邊啼。
 臥聞雷雨歸巖早,坐見星辰去地低。
 一逕穿縁應就郭,千花掩映似無溪。
 是非生死多憂悩,此日蒙師爲破迷。


生きていたのが戦乱期だったせいもあるのか、同情人民疾苦の詩人とみなされているようだ。

段成式との関係だが、855年、處州に立ち寄ったらしい。[→「唐詩人史」
味嗜魚鮓だったというからグルメの成式とは楽しくつきあえたのではなかろうか。・・・
   「東溪別業寄吉州段郎中」
 前山含遠翠,羅列在窗中。盡日人不到,一尊誰與同。
 涼隨蓮葉雨,暑避柳條風。豈分長岑寂,明時有至公。

   「自縉雲赴郡溪流百里輕棹一發曾不崇朝敘事四韻寄獻段郎中」
 激箭溪湍勢莫憑,飄然一葉若爲乘。仰瞻青壁開天罅,斗轉寒灣避石稜。
 巣鳥夜驚離島樹,啼猿晝怯下巖藤。此中明日尋知己,恐似龍門不易登。

   「贈處州段郎中」
 幸見仙才領郡初,郡城孤峭似仙居。杉蘿色裏遊亭,瀑布聲中簿書。
 コ重自將天子合,情高元與世人疎。寒潭是處清連底,賓席何心望食魚。


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