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2002.10.20
 
 


OpenCourseWareが与えるインパクト…

 2002年10月10日米国発ニュースによれば、発足したばかりのMITの「OpenCourseWare」のパイロットコースのウエブに、なんと13万人がアクセスしたという。(http://news.com.com/2100-1023-961563.html?tag=fd_top_2)

 パイロットとはいえ、Syllabus/Assignments/Required Readings/Study Materials/Tools/Lecture Notesが公開されている。内容的に、実際の授業内容すべてが揃っている、と感じさせる科目さえある。例えば、線形代数では、連立方程式を行列にあてはめる初歩の授業から、課程の最終レビューまで、34ものビデオ講義が揃っている。(http://ocw.mit.edu/18/18.06/f02/video-lectures/index.html) よくできていて、ビジネスマンでも見飽きない。教養学部の教室での授業など不要ではないか、と感じさせるレベルだ。

 現時点ではまだ32科目だが、2007年までに、ほぼ2000科目が公開される予定とされる。(http://ocw.mit.edu/index.html)
 実現すれば、誰でもが、無料で、自由に、最高レベルの教育に触れることが可能になる。

 しかも、インターネットを利用した受講者に学位を与えるためのものではない。そうなると、「何が目的なのか?」という声が教育関係者からあがりはじめるだろう。
 実際に、シニカルな見方もでているとの記事もあるが、(http://www.syllabus.com/article.asp?id=5913) 現場の教職者の発言を読めば、「知識の商業化の流れに抗して」との理念が深く浸透していることがわかる。アイデアを生み出す文化を大学に確立するためには何をなすべきか、と考えた結果の動きがOpenCourseWareという訳だ。(http://www.aaup.org/publications/Academe/02so/02ftr.htm) 

 こうした革新的な動きが成功すれば、まずは、レベルが低い教育機関の存在意義が問われよう。
 そして、大学教育のあり方も変わらざるをえまい。先端的な教職者は、教育の仕方を変える動きに走るだろう。そしていち早く改革に成功した大学だけが、21世紀の知の拠点として発展していくことになろう。

 いよいよ、大学教育でも、知の創造のグローバル競争が始まる。

2001年4月に記載した「MITの挑戦…」へ


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