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2002.11.13
 
 


Linux+PS2の行方…

 プレイステーション2(PS2)のハード生産が安定軌道にのった。

 「年間2000万台販売なら。プロセッサだけで二千億円レベルの市場が生まれ、年間数百億円の研究開発が可能になり、・・・」との発売当初の予測が現実化した。(小久保厚郎「プレステ2の衝撃度 〜三つの課題を打ち破れ〜」Voice2000年5月号)
 これで、ウインドウズOSとインテル構造プロセッサをベースとした高額なパソコンから、安価大量生産品のPS2へと、流れを変えるチャンスが到来した。

 といっても、PS2のLinux搭載キットの販売数(試用版)はPS2全体の販売数から見れば、極く僅かだ。当事者のSCEIも、この事業を「ホビイスト向け」と語っている。 (http://zdnet.com.com/2100-1103-921233.html)
 パソコン化すれば遊ぶ時間が減るから、ゲームソフトを収益源とする企業の姿勢としては当然といえよう。

 このままなら、完全なニッチで終わりかねないが、2002年1月にLinux正式リリース第1版発売が決定された。(http://www.ps2linux.com/press.html) ついに、実用レベルの処理スピードが出せるとの評価が定まったといえよう。これで、ユーザー主導でリナックスPS2市場形成開始の体制はできた。10月には、ロンドン、フランクフルト、ロサンジェルスでLinuxコミュニティのデモも始まっている。(http://playstation2-linux.com/forum/forum.php?forum_id=304)

 安価なLinuxサーバとしての利用を追求するユーザーも大勢いるようだし、米国のパソコン非購入層への新アプローチを考える人もでてくるだろう。
 様々な挑戦を生み出し、新市場創出に成功すれば、PS2はゲーム機から、インターネット時代の世界のプラットフォーム機器に変身できる筈だ。

 しかし、残念ながら、そのような戦略的動きが見えない。


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