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2002.12.24
 
 


白物家電ブランド瓦解の兆し…

 コンシューマ・マーケテイングのテキストに必ず登場するのが、タバコのナンバーワン商品、マールボロだ。ブランド・イメージの力で市場を席巻し続けている。米国市場でのシェアは35.4 %で2位の6.3%を大きく引き離している。(http://www.tobacco.org/resources/general/mktshr.html)

 当然、成功話が多いが、失敗の方も有名である。
 マールボロ・ブランド確立に成功した後、価格上昇策に転じ、高収益化に大成功する。いわゆる、ブランド・プレミアムを謳歌した訳だ。
 ところが、プレミアムが1ドルに達した頃から、顧客の安価ノンブランド移行が目立ち始める。その結果、1993年にはシェアが20%近くまで落ちこむ。
 そこで、急遽価格の大幅引き下げに動く。流石に、20%価格低下策で効果がみえ、1995年にはシェアを30%に戻す。(San Francisco Chronicle, May 1995)
 シェアは1998年頃の水準に回復したが、この施策に20億ドル程度は投下したと言われている。極めて高額な授業料を支払ったといえよう。

 ところで、2002年に入り、ナンバーワンの白物家電メーカーが自社商品のプレミアム価格是正を開始した。
 量販店の店員にたずねると、お客様が安価品を求めるようになったという。マルボロの失敗の轍を踏まないように、早めに手を打ったようだ。
 ・・・と思っていたら、事態は思った以上に深刻なようだ。

 プレミアム価格が是正されたにもかかわらず、店員は他社品を勧める。値段が安いだけでなく、性能・品質でも優れている、と説明してくれる。しかも、具体的に優れた点を次々とあげる。いまや、トップ・ブランドの魅力は、ほとんどないといえよう。
 市場の実態を見れば、プレミアム価格どころではない。

 すでに、国内の競争相手は、低価格を前提として、徹底的な差別化を進めている。
 国外の競争相手も、本格参入を目指し、日本の生活実態に合わせた製品開発に余念がない。
 これに対して、ブランド品メーカーは、生産コスト削減とプレミア価格是正で乗りきるつもりのようだ。

 この程度の対応で、マールボロのような圧倒的シェア維持が可能だろうか。


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