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2004.3.12 
 
 


麻薬の脅威…

 2003年の不正薬物の密輸入事犯の摘発統計(1)によると、合成麻薬MDMAの密輸入押収量が、過去最高を記録した。押収量は、この5年間で約20倍と激増状態らしい。対前年比で214%である。
 実数では、37万錠という驚くべき数字に達している。
 航空小口急送貨物及や国際スピード郵便での摘発が増加しているのだ。

 錠剤型で簡便な麻薬が、日本に広まり始めたことを如実に示したデータである。

 恐ろしく危険な兆候といえる。
 このまま浸透が進み、従来型の麻薬取締りを続けていると、犯罪の温床ができかねない。

 このタイプの麻薬が広く入ってしまうと、徹底的な取り締まりを行なうと、かえって危険である。
 取り締まりは薬剤入手難をもたらすから、価格は急進し、闇組織が販売ルートを独占してしまう。そうなってしまうと、どうしても薬物が欲しいる常用者は、必然的に犯罪組織に引き込まれてしまう。その結果、凶悪犯罪が続発するし、暴力団の力も強まる。悪循環に陥る。

 そうならないうちに、なんらかの手を打たないと、日本の安全神話が根底から覆ってしまう。

 実は、至極簡単な、MDMA対処策がある。
 大麻取り締まりの手抜きと、MDMA密輸入の徹底検挙をペアで進めるのだ。
 リアリズムに徹すると、この施策が一番効果的と思われる。

 安全で安価な大麻で、高価で健康を蝕む麻薬を代替させるのである。大麻なら、海外ではオープン市場もあるようだから、闇組織が市場を支配することもないと思われる。

 と言うと、犯罪容認と勘違いして怒る人が多いが、海外では珍しい施策ではない。大麻の少量使用なら、重大犯罪と見なさない国もある。というのは、大麻(マリファナ)が健康を害する証拠はないし、吸飲することで犯罪を引き起こす可能性は薄い、と考えられているからである。

 日本なら、薬物にわざわざ手を出すのは、多く見積もっても2〜3%ではないだろうか。多少、大麻が入ってきたところで、国民に蔓延することは無いと思う。
 逆に、薬物好みの層に、今のペースでMDMAが浸透したら大変なことになる。法を犯しても薬物入手に動く輩に、大麻で満足して頂くのがベストだろう。

 といっても、この施策を進めるのは、難しい。
 現状のままなら、ほとんど無理かも知れない。

 大麻所持の芸能人が、けしからぬ輩として、徹底的に糾弾されるからだ。
 (大麻取締法の量刑は未成年者誘拐並の重罪。反社会的な悪質犯罪と見なされているから極く自然な反応である。)

 しかし、この姿勢を固持していると、膨大な量のMDMAが入ってきて、結局のところ、社会は高いツケを払わされることになりかねない。

 --- 参照 ---
(1) http://www.mof.go.jp/jouhou/kanzei/ka160210b.htm


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