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2010.7.13
 
 


港湾だらけ…

〜 日本の港湾 〜
地方港湾
特定重要港湾 重要港湾 漁港
871港 6港(中枢) 17港 43港(重点) 60港 2,921港
北海道 苫小牧
室蘭
函館
石狩湾新
釧路
稚内
網走
紋別
根室
十勝
小樽
留萌
285港
青森 青森
八戸
むつ 92港
岩手 大船渡 久慈
宮古
釜石
111港
秋田 秋田 能代
船川
22港
山形 酒田 15港
宮城 仙台塩釜 石巻 142港
福島 小名浜 相馬 10港
茨城 茨城
鹿島
24港
千葉 千葉 木更津 69港
東京 東京 23港
神奈川 横浜 川崎 横須賀 25港
静岡 清水 御前崎 田子の浦 49港
愛知 名古屋 三河
衣浦
34港
三重 四日市 尾鷲
津松阪
73港
新潟 新潟 直江津
両津
小木
64港
富山 伏木富山 - - - - 16港
石川 金沢 七尾 69港
福井 敦賀 45港
京都 舞鶴 33港
滋賀 20港
和歌山 和歌山下津 日高 95港
大阪 大阪 堺泉北港 阪南 13港
兵庫 神戸 姫路 東播磨 尼崎西宮芦屋 53港
岡山 水島 宇野 岡山 27港
広島 広島 福山
尾道糸崎 46港
山口 徳山下松
下関
岩国
宇部
小野田
三田尻中関
97港
島根 浜田
(境↓)
三隅
西郷
85港
鳥取 鳥取 18港
愛媛 松山
東予
宇和島
今治
新居浜
三島川之江
195港
徳島 徳島小松島 29港
香川 高松
坂出
坂出 92港
高知 高知 須崎
宿毛湾
88港
福岡 北九州
博多
苅田 三池 65港
大分 大分
中津
別府
津久見
佐伯
110港
宮崎 細島 宮崎 油津 23港
佐賀 伊万里 唐津 47港
長崎 長崎 佐世保
厳原
郷ノ浦
福江
286港
熊本 八代 熊本
三角
104港
鹿児島 鹿児島 志布志
名瀬
川内
西之表
139港
沖縄 那覇
中城湾
運天
金武湾
平良
石垣
88港
 港湾の“選択と集中”を行うということで、2010年8月3日に国土交通省が43の選定港湾を発表した。126の港湾を約半分に絞りこむという話。尚、選ばれていなくても、離島については別途支援するそうだ。(1)

 特に関心があった訳ではないが、地方版ニュースが騒がしいので、どうなっているのか眺めてみた。
 政府の暴挙と言いかねないような姿勢を示す知事もいれば、事業予定がないから影響なしと地元を安心させる発言をしたり、なんとか面倒を見るというような訳のわからなぬ発言まで色々。
 一方、選ばれた方は、当然と胸を張るとか、これで弾みがつくという発言が多い。

 与党による“政治的配慮”でもあるのかと思い、眺めたが、そんな感じを受けるのは沖縄位。まあ、これは致し方あるまい。自民党王国の山口県で2港が選定されており、まあ、60港を落とすとしたら、こんなところだろう。
 しかし、こんなことさえ大騒ぎなのだから思いやられる。表を見てもらえばわかるが、こんな程度で“選択と集中”と呼ぶのだから恐れ入る。まあ、藩の雰囲気が残っているし、道州制ではなく、県毎の税金分捕り合戦なのだからこうなるということか。これでも、政権交代でようやくできたということのようである。
 それにしても、日暮れて道遠しだ。

 だいたい、重要なものを選ぶという曖昧な言い方がすべてを物語る。まあ、のんびりやりましょうや路線ということ。
 “選択と集中”に踏み切るというなら、経済成長に寄与しそうな港湾だけに投資するべきで、数などどうでもよい。そして、停滞しているにもかかわらず維持投資が必要な港湾は廃止方向。廃止費用を出し、機能を近隣港に移設すればよいだけのこと。

 常識で考えれば、こうした政策を打ち出さない限りどうにもならない段階にきていることがわかりそうなもの。
 どの地方も人口は減るのだ。運搬荷物量は減る一方で、特に、船便の利点が顕著な荷物は、すでに、船も荷物もコンスタントに減っているに違いないのである。合理化が急務なのは自明。

 だからこそ、キャパシティ増強とか、新鋭設備導入の港湾が重要になる。集中によるトータルコストを低減できるからだ。これを行うためにはは高コスト港湾の閉鎖が鉄則。
 ずるずると非効率な港湾を残せばどうなるか考えるだに恐ろしい。施設を考えてみるだけでわかる筈だ。
  航行標識+防波堤+係留施設[岸壁,桟橋]
  船舶給水給油設備+廃油処理施設
  荷捌場/上屋+保管施設[野積場,倉庫]
  機器類[ガントリークレーン,トップリフター]
  旅客施設+管理棟+臨港道路
 専門家が必要なものが多く、高コスト。しかも、単純肉体労働力を確保する必要がある。この先、どうなるかなど自明。駄目なものは早く見切りをつけるしかないのである。

 だいたい、港湾を整備したところで、それで地域が発展する時代ではない。そんなことと関係なく、工場移転や閉鎖はさらに進むだけ。民間投資を呼び込める港など例外的。それが現実。
 “虎の子”の港湾を見つけ、それに徹底的に注力するのが筋である。実現性皆無の薔薇色の作文で予算を消化するようなことはいい加減に止めて欲しいものである。

 ともかく、表でわかるように、日本は港だらけであり、全てが税金に群がっている訳である。
 こちらは閑古鳥の地方飛行場とは違い、面子で続けることはできない。地方商店街のシャッター通りのようにしたくないなら、早く廃港化して地域の転身を図るべきだ思うが。
 --- 参照 ---
(1) “大臣発言(直轄港湾整備事業に係る選択と集中について)” 国土交通省 [2010年8月3日]
   http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_001040.html


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