■■■■■ 2010.12.28 ■■■■■

 身近に迫ってきた鳥インフルエンザウイルス

 久しぶりに、WHOのGlobal Alert and Responseを眺めてみた。鳥インフルエンザがどうなっているのか知りたかったからである。

 先ず、インドネシアの状況だが、ヒト感染患者が相変わらずポツポツ発生している。2010年12月9日現在で累積171件。ウイルスはすでに全土に蔓延していると見てよさそうだ。と言うのは、養鶏に直接係わっていない罹患者が発生しており、糞から感染したことが疑われるから。
 多分、ベトナムも同じようなものだろう。こちらは、2010年4月21日現在で119件。問題は鳥の感染が未だに続いていること。押さえ込みに失敗したようである。
  “New Bird Flu Outbreaks Across Viet Nam” Food Safety Net 09/12/10
  “New avian flu cases reported nationwide” Viet Nam News December, 09 2010-UD
 想像するに、中国も同様に違いなかろう。ただ、この国の情報は当てにならない。はっきりしているのは、11月に香港で鳥との接触なき患者が発生したこと。国内旅行での感染が疑われるが、大いに気になるところ。ウイルスを持つ鳥の濃厚接触がなければ感染しないという訳ではないからだ。

 これを踏まえて、国内での鳥インフルエンザのニュースを考えるべきだろう。

 国内でのウイルス認知はすでに5件を数えている。
  10月 北海道稚内市・・・野生カモの糞
  11月 島根県安来市・・・養鶏
  12月 鳥取県米子市・・・野生コハクチョウ
     富山県高岡市・・・動物園飼育コブハクチョウ
     鹿児島県出水市・・・野生ナベツル
 もし、全土で調査したら、もっと沢山でてくるような気がするような発生パターンでは。いかにも、渡り鳥による感染が進んでいるといった感じなのだから。

 2004年の山口・大分・京都、2007年の宮崎・岡山に比べれば養鶏場発生が一箇所なので、ニュースとしては大きく取り上げないようだが、発生件数としては多いのだから、もう少し注意を払うべきではないだろうか。以前は野鳥感染が同時に報告されていた訳ではないのだし。
 渡り鳥は1月まで来訪するだろうから、まだまだ気が抜けない状況の筈。

 まあ常識的には、野生の鳥の糞に含まれているウイルスからの感染が始まったと見るべきだろう。そうなら、早晩、日本全土にウイルスがばら撒かれることになる。野鳥だから、こればかりは防ぎようがあるまい。
 当然ながら、その糞から留鳥に感染し、その糞がさらなる感染を広げるという、悪循環が生まれることになる。
 ヒト感染型へのウイルス変異がここ日本で起きる可能性もありそうだ。インドネシアでは豚がウイルス感染しているそうで、日本も同じことになろう。問題は豚は発症しないこと。従って、ヒトウイルスとの交雑が始まる確率はかなり高い。実に厄介。
 [“Influenza A(H5N1) Viruses from Pigs, Indonesia” Emerg. Inf. Dis. 2010 Oct.]

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