■■■■■ 2011.10.15 ■■■■■

 電子リーダー分野では日本企業はおいてけぼり

Lenovoが販売するAndroidタブレットの実売価格は2万円を切るらしい。
7型液晶1,024×600、メモリ512MB、ストレージ2GBだそうだが、失礼ながら、この商品がどれだけ売れるか見モノ。なにせ、Amazon.comが独自ブラウザまで開発して、199ドルで販売を始めた状況だから。もっとも、日本では買えないが。

タブレットに特段の関心がある訳ではないが、実は、小生、素性がよくわからないメーカー製の7型液晶のAndroidタブレットを使っている。たまたま購入しただけ。
量販店にクリプトン電球を買いにいった時、外が寒くて出るのがおっくうなので店内を歩いていたら、たまたま置いてあったのがその製品。手にとって操作してみたら、店員がすかさず寄ってきて、1万円を切る値段で新品を売るというのでその場で購入したのである。

小生はマニアではないから、細かな性能には全く興味が湧かない。こちらが欲しい基本機能がありさえすれば十分。USBとmicroSDカードスロットがあり、Wifi接続によるブラウジングがそこそこスムースで、地図が見れ、PDFとePubファイルを読めるなら文句なし。これなら使えるとその場で判断しただけのこと。

と言っても、入手してみれば、音楽ストリーミングやYouTubeも利用する。でも、これらはどうしても欲しい機能ではない。それより、残念なのは、古いOSバージョンなのでAdobe Flash非対応なことと、駆動時間が実質3時間強と短い点。
この価格では、入手時点では、そんなことは望むべきもなかった訳で、そのうち2、3万円の製品が出たら買い換えようと思っていた。ところが、使っているうちにその気が失せた。

早い話、この手の道具に大枚を注ぐ気が無いことに気付いたのである。それ位なら、そのお金で美味しい料理を食べに行ったり、美術館を訪れた方がずっと嬉しい。
そんな感覚の人間から見れば、カメラやBluetoothといった付属機能は無用の長物。
そう考える人は日本では極く少数派らしいが。

そんなタイプの人間にとっては、駆動時間が7時間を越え、2万円を切る価格になったところで、新商品に触手が伸びることは無い。現在使用中のタブレットで実感したが、重さ400gは、片手で掴んで画面を長時間見続けるのはかなり苦痛。ただ、短時間なら、場所と姿勢を工夫すれば、快適な読書は可能。モノクロなら照度を落とせば、800×480程度の解像度でも英文書籍は結構読み易い。カラーの動画類は大画面でじっくり見たいから、タブレットの仕様としてはこの程度でも結構ということもある。

と言うことで、読書用に、E Ink搭載の軽いものが欲しいところ。Amazon.comの新Kindleは79ドルからと実に廉価。そんなものが早く日本でも使えるようになって欲しいもの。
だが、今の状況では何時になることやら。おそらくAmazon.comに米国並みの条件で販売を委託する日本企業が現れないのだろうから、期待しない方がよさそう。

ところで、こうした廉価な価格だが、携帯電話やゲーム機と同じ商法の値付けと見なすむきが多いが、そんなものだろうか。小生には、9,000円程度の価格設定でもオーバーヘッドコストを薄くすれば十分利益を出せる類の商品に映るが。早々と本格的大量生産の価格帯に入ったと見るべきではないのか。
もしそうなら、日本企業はこの流れにおいてけぼりを喰う。
この事態、松下幸之助翁の水道哲学を綺麗さっぱり捨ててしまった結果とは言えまいか。・・・このままでは、事業を通じて社会貢献との言葉も死語化しかねまい。日本企業はメーカーとしての原点に戻る必要があるのではなかろうか。

(ref.) 若杉紀彦: "レノボ、2万円を切る7型Androidタブレット「IdeaPad Tablet A1」" PCWatch 2011年10月13日  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20111013_483395.html


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