■■■■■ 2012.1.24 ■■■■■

 日本茶の淹れ方を変えてみた

先日、お茶屋さんのご案内で闘茶会に参加。
小生の理解では、茶道発祥以前に主流だった茶飲み文化。そんな文化に興味が湧いたから参加した訳ではなく、美味しく飲むにはどうするか知りたかったから。それに、自分の味覚と臭覚は、それこそ違いがわかる力があるのか、という点も知りたいところだし。

紅茶なら、ダージリンとセイロンの違いは誰でもわかろう。しかし、狭山、掛川、八女と言っても説明を聞いたところで、残念ながらその違いはよくわからない。従って、一度まともに飲み比べてみたいと思っていたのである。
それだけではないかも。この正月に人吉産の玉緑茶を頂戴し、自宅でいい加減に淹れてみたら旨みが矢鱈に濃かっので驚いたからだ。産地で相当違いそうだと、今更ながら、気付かされた次第。

そうそう、闘茶の中味だが、産地が違う同一価格の煎茶である。品種は主流のヤブキタ。

結果。
案の定、小生も含めた参加者全員、正答率低し。お陰で、ずいぶん勉強になった。
ちなみに、自分の好みとしては、本山ということがわかった。その辺りのテーストに慣れているにすぎないと思われる。

わかった点。
・産地の違いだけで、味は相当に違う。
 凡庸に感じるものと、尖ったものがある。
 香りと色の違いもありそう。
・慣れている手のお茶が一番バランスがよいと感じるのではないか。
 それを平凡と感じたり、優れていると評価することになる。
・全く同じ淹れ方は簡単なようで結構難しい。
 ちょっとしたことで、茶葉の蒸らし方に相当な違いが出てしまう。
 注ぎ方で茶碗毎の差が生まれかねない。
・味わいは、茶以外の状況でもかなり左右される。
 最初に味わう茶の印象はあてにはならない。
 お菓子の味によって、その後で飲む茶の良し悪しが左右されそう。
・茶の風味の違いは誰でもわかるが、それを表現できる語彙を欠く。
 茶葉の特徴を概念的に把握するのは難しい。
 飲み比べて、同じ茶葉を認識するには訓練が必要そう。

そして得られて教訓は単純明快。・・・
茶の淹れ方と注ぎ方は、自分の頭でその都度考え、臨機応変で行くべし。

そして、以下の淹れ方に変えた。
言うまでもないが、専門家に教わった訳ではない。素人論なのでそのつもりで。

(1) 茶葉は、茶筒から、所定の分量の茶葉をを取る際に、できる限り欠片や粉が入らないように注意する。葉の形状のバラツキが見られる商品は駄目。そんなものなら、粉茶や茎茶の方がまし。

(2) 一番重要なのは、多分、最初の茶葉の蒸らし。静かに、熱すぎない湯中で、茶葉をゆっくりとした速度で静かに広げないと、十分に美味しさを味わうことができない。
よく巻いた細い茶なら低温長時間が望ましく、成分が抽出し易そうな茶葉なら多少高温で短時間にする。
従って、茶葉は薄く広げるように急須に入れる。急須の底は扁平で面積が広いほどよい。絶対に、塊で入れない。この観点で、急須の容量が決まる。一般に茶碗2杯強が限度だ。茶漉し網付き急須などトンデモない話。それは、鮨屋のアガリ用。
急須は暖める必要なしと考えていたが、そんなことはない。ただ、水分が茶葉についてしまわないよう、湯を注ぐ直前に茶葉を入れる必要がある。
湯をすべて注ぐのは、素人は避けた方がよい。最初に、茶葉に被る程度の湯量を、葉の全体を湿らすように注ぎ、すぐ蓋を閉じる。20秒程度たつと葉が広がるので、葉が湯に舞わないように。静かに残りの湯すべてを注ぐ。ガラスの急須は冷え易いので今一歩だが、葉が開く様子が見えるので、注ぐべきタイミングがわかり便利。情緒を欠く道具だが。

(3) 妥当な抽出時間はその都度勘で決めるのがよい。上記のやり方なら、葉の広がる速さがわかるから、それに応じて設定すればよい。80秒から120秒程度である。もちろん、購入した茶葉指定時間があるならそれを守ることになるが、その数字が当てにならない場合も。尚、深蒸茶表示品は他とは違い抽出が速いので要注意。

(4) じっくりと、しかし急いで茶碗に注ぐ。ここで手抜きすると、すべてが台無し。ともかく、一気に茶を注ぐべきではない。例えば、2杯分なら、5回x2茶碗程度。じっくり愉しみたいなら、1回に注ぐ量は少ないほどよさそう。ただ、この場合、1回毎に、注ぐ前に急須を振って、湯を踊らすこと。そして、文字通り、最後の一滴まで出し切る。振らし方が悪いと、急須の口に茶葉が溜まり、これができなくなる。そうなると、一番美味しい部分が得られない。

まあ、以上、薀蓄というほどのものではない。教訓をもとに理屈を考え、今までのやり方を少し変えてみたにすぎない。

(当サイト、過去記載) 「日本茶の淹れ方(20110203)」


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