■■■■■ 2012.1.25 ■■■■■

 「限界集落はどこも消滅寸前」は嘘であるソウダ

「限界集落はどこも消滅寸前」は嘘である。・・・コレ、2012年1月に刊行された、「限界集落の真実: 過疎の村は消えるか?」 (山下祐介著、ちくま新書)の宣伝文句。
弱者の塊に見える老人集落だが、土着の意志は強固そのもの。出て行った家族も時々帰って来たりして、消滅の方向にはほど遠いとのご指摘。

ソリャソウダ。
まともな産業が無い地域だろうが、地方には、引き続き徹底的に税金が投入されており、そこの住民がのんびり食べていける政策が未だに続いているのだから。なにせ、農業地帯では、世帯売り上げが年数十万円で悠々自適の生活を送れる人が大勢いるのだから。ただ、そうした社会の仕組みから外されると悲惨。赤貧に陥るか、当てがなくても都会にでるかの選択に迫られるからだ。地方は所属組織とコネの有無で生活水準が決まってしまう格差社会そのもの。税金ぶる下がりだけの生産性低下路線が極限まで進んでいると見て間違いない。
こんなことをしていて、一般の農業集落が成り立つ訳がないから、そろそろ、合理的な施策が打たれる潮時と見ていたのだが、現実は真逆。社会の破滅に突き進む道を選択したのである。民度が高い人が多い社会はこうなるという良き見本。世界大戦突入を拍手喝采した伝統的思考パターンは今も健在と言えよう。

ともあれ、この手のバラマキ政策は一律公平型にせざるを得ない。限界集落候補地域でも、安穏として暮らせる支援が行われることになる。そんな状態で、わざわざ集落から出て行き、苦労したい人が出るものかネ。
しかも、そんな流れを応援する人だらけ。そりゃそうである。地方への税金バラマキ政策を打ち続けるための学問が花盛りなのだから。もちろん、そこにも巨額な税金が投入されているからだ。どのような主張や宣伝をすれば、税金バラマキ路線をさらに強化できるか考えている人が大勢存在する訳である。これで素晴らしい成果があがらなかったらどうかしている。そうそう、そういう仕事をする人は尊敬されるし、格好イイと言われたりするもの。
世界大戦突入前夜も同じような調子だったらしい。言うまでもないが、それを揶揄したりすれば大変な目に合わされたのだ。それは今も変わらない。

ポイントは、日本の地方の大半は、自立経済ではないという点。
なかには、自称自給自足可能と主張する地域もあるが、それは日々の物々交換生活しか頭にないため、誤解しているだけ。正確に言えば、そんな幻想に浸たりたいから、つい口から出てしまうのである。単なる税金食いつぶし。発展性はゼロだが、それがお好きな人にとっては、お得な生活が送れる。
自称農業中心の経済地域も、一部を除けば、ほぼ同じこと。他の産業が、農業のために存在するから、そんな思い込みをしがちだが、そんな非農業収入のモトを辿ればすべて税金。そんな税金食い潰しの産業が支援するから、生産性が低い農業を続けることができる訳だ。

ご存知のとおり、こうしたバラマキをさらに続けようというのが、現在の日本の政治。
農村型「中」バラマキ政権から都市型「大」バラマキ政権へと代われば、すぐに問題がはっきりしてくるので、新たな政治状況が生まれると期待していたが、逆だった。
1月の自民党大会は圧巻。来賓挨拶に野次がとんだという。もちろん、TPP反対ということで。都市型政党に脱皮して、国全体の生産性向上に図る方向に進む姿勢を打ち出すと思いきや、昔からの土着政党に戻すつもりのようだ。

さらに大笑いなのは、自称小さな政府派ミニ政党の動き。社会保障費用は削らない方針らしい。それこそがバラマキの最たるもの。これをいかにして削るかが問われており、そのやり方を議論する必要があるのに、それは棚上げするようだ。
バラマキ続行という有権者の多数意志には逆らえないのである。


(C) 2012 RandDManagement.com    HOME  INDEX