■■■■■ 2012.2.23 ■■■■■

 独身者の考え方を推定してみた

日本の少子化は進む一方。止めようがなさそう。
なにせ、独身者が多すぎ。これが、離婚が増えた結果なら仕方ないが、結婚や同棲が余りに少ないのだ。しかも、社会が私生児を暖かく迎える状況になりそうにもないし。
どうしてこうなるのか、納得のいく説明を聞いたことがないので、生データを見て、勝手に想像することにした。
偏見承知の上、大胆な見方で、読み取ってみることにした。失礼な言い方だらけなので、憤慨なされぬよう。

先ず、おさえておくべきは、独身者といっても、親から離れない生活者である点。
残念ながら、親が何を考えているのかさっぱりわからないが、子供の独立心を育んでこなかったのは明らか。
 未婚者(18−34才)で、親と同居している割合は、男性は7割、女性は8割弱
 正規職員として就業していても、それぞれ7割弱、8割弱
大家族主義が立ち行かなくなっているにもかかわらず、それを維持したい地域の数字で大きく影響されているのかも知れぬが。

ともあれ、独立心がさっぱり感じられない数字。
子供の自由意志を尊重するとしながら、周囲に合わせないと生きていけないゾと日々叩き込んできた家庭教育の結果と見るべきと思う。親からの独立は、嬉しい話ではないのだ。親に側で見守ってもらえない世界に住むのは、おそらく、怖いのである。

ただ、そんなことは認めたくないから、格好だけはつけたがる。「独立できる」が、しないだけと自分でも思いたい人は結構存在する。
 一人の生活を続けても寂しくない人は、男性で4割、女性で3割

多分、ほとんどの人が、周囲の目を矢鱈気にする体質である。それがよくわかるのは、結婚を社会常識とみなしているから。
独身でもいいじゃないかという思想を肯定する勇気ある人は意外に少ない。
 「生涯独身で過ごすというのは、望まし生き方ではない」とは思わないのは、男性3割、女性4割
もっとも、独身肯定論者にしても、結婚しても利点はないと見ているだけかも。
 今の自分にとって、結婚することに利点はないと思うのは、男性3割強、女性2割

なんといっても圧巻は、独身生活の利点の考え方。「自由」を謳歌できるというのである。
 独身生活の利点は、男女ともに「行動や生き方が自由」を挙げる人が圧倒的で、約7割

小生からみれば、これは「自由」という言葉の掃き違え。「自由」とは、他人に強制されることなく意思決定できるということ。だからこそ親元から脱出したくなるのである。社会や親に合わせることで、「お気軽」な生活ができるというのは、自分の意志を持たない非自由人。
もっとも、「責任なし」は素晴らしいと、直に認める人は流石に少ない。
 家族扶養の責任がなく気楽というのは2割

だが、それは致し方ないことかも。なにせ、昨今の独身生活は、結婚生活より圧倒的に魅力的なのだ。
 今の自分にとって、独身生活は利点があると思うのは、男性8割、女性9割弱

当然ながら、結婚につながるような男女交際は避けることになる。周囲を気にするから、当人は、チャンスが無いと言うだろうが、チャンスは作りたく無いのである。
 異性の交際相手をもたない未婚者は、男性で6割、女性で5割

言うまでもないが、結婚すべきと考えていることを、周囲にそれとなく表明する訳だから、結婚しない理由を用意しておく必要がある。「したい」が、「できない」と、自分でも納得する理由をつくる訳だ。もちろん、こんなことは至極簡単。
25才を過ぎると、適当な相手がいないので「できない」と言えばよいだけのこと。
 適当な相手にめぐり会わないので結婚できないのは、25−34才で5割

つらつら思うに、この辺りの独身層は、社会の変化を嫌っていそうだ。実際は、自分達が社会を大きく変化させているのだが、それに気付かないままで。
しかし、日本の将来をよく見ている人達なのかも。現状肯定的に動かないと大損しかねないが、さりとて、この社会にどっぷり漬かると将来身動きとれなくなってエライことになると考えている可能性は高い。どう動くと明るい将来が見えるのかわからない以上、適当なところで現状維持が一番ということになる。ヘジテーション・ストラテジーか。
個人ベースでの収益計算をすれば、自然な選択と言えるかも知れぬが、・・・。

(データ) 第14回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要 国立社会保障・人口問題研究所 2011年11月25日


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