■■■■■ 2012.4.27 ■■■■■

 One Sonyになれるか

2012年4月12日、新体制の下での、ソニーの経営方針が発表された。それに対するコメント報道も一段落しただろうから、ざっと眺めて見たが、冷ややかに受けとめられたようだ。まあ、評価には時期早々ということでもあろう。
そんなこともあり、一寸、考えてみたくなった。

取材レポートを眺めると、その要旨はこんなところらしい。
  「ソニーを変える。ソニーは変わる。」
  ・スローガンは「One Sony」
  ・権限の集中による素早い経営判断と開発
  ・売上高と営業利益率での明確な数値目標
  ・事業売却/大幅人員削減(化学3,000、ディスプレー2.000、他7,000名)

これでは、冷ややかに見られて当然かも。
経営数値目標を掲げ、リストラも断行した、ハワード・ストリンガー体制での決まり文句は、サイロの壁を壊すだった。旗印は確か、Sony UNITEDか。One Sonyが、これとどう違うのかはよくわからない。

この言葉自体は誰でもわかるし、まあ、それはそうだろうとなるが、外部の人間には、その先がよく見えないのである。
エレクトロニクス企業イメージが強い企業だが、エンタテインメント(映画/音楽)と金融分野の事業を抱える、複雑で巨大なコングロマリット企業であり、統一感といってもピンとこないせいもある。

この手の異質な事業を束ねるモデルの典型はGE。その顔は、1981年就任のジャック・ウェルチであり、2001年に引き継いだジェフリー・イメルト。時代の先頭を切ったマネジメントで経営を牽引してきた。今や、イマジネーションが企業を貫く一体感と言われている。
内実は知るよしもないが、外部からもわかる統一感と言えよう。

ソニーも、同じように統一感が見える時代があった。創業者の顔が看板だったからである。ホンダ同様に、そのイメージは米国では燦然と輝いていたと言ってよいだろう。
しかし、ソニーは、この輝きを、企業文化として固定化することに失敗した訳である。はたして、その復活の鍵を見つけたのだろうか。

小生は、一番の問題は、出井伸之体制のトラウマではないかと思う。
リ・ジェネレーションとデジタル・ドリーム・キッズをスローガンに、鮮やかなリーダーシップを発揮したが、結局、企業変身に失敗。この総括不足では。・・・経営戦略の教科書に載せたくなるような素晴らしい奮闘ぶりだったが、笛吹けど踊らず。「ものづくりのソニー」凋落を導いたとされ、マスコミ的には散々な評価。企業としても、否定的に扱うしかないのはわからないでもないが。

なんといっても気になるのが、その後、企業としてのレゾンデートルやビジョンの欠落イメージがはなはだしいこと。はたして、これで、巨大企業に一体感を植えつけることができるのだろうか。

(ソニー報道資料)
2012年04月12日 ソニーを変革し、エレクトロニクス事業の再生、成長と新たな価値創造をめざす 〜“One Sony”でソニーを変える〜
(マイナビニュース)
【レポート】「One Sony」でテレビ事業再生へ - ソニーの平井社長が新経営方針を説明 2012/04/13
(ロイターニュース)
再送:〔アングル〕ソニー<6758.T>の経営目標の実現性に不透明感、「ヒット不在」の打開が課題 2012年 04月 13日 07:46 JST
ソニー株売り先行、経営方針への評価厳しい 2012年 04月 13日 09:50 JST
ソニーが全世界で1万人削減へ、テレビ事業は他社と提携も 2012年 04月 12日 22:17 JST
ソニー<6758.T>、2014年度に売上高8.5兆円・営業利益率5%以上目指す=経営方針 2012年 04月 12日 15:37 JST
特別リポート:ソニー盛衰の時、平井新社長が担う「ゲーム」の結末は 2012年 03月 26日 09:53 JST (村井令二 ティム・ケリー)


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