■■■■■ 2012.7.15 ■■■■■

  「国民の生活が第一」党はあなどれない勢力らしい

7月11日、「国民の生活が第一」党が旗揚げ。
小沢派あるいは親小沢とレッテルが貼られていた有力議員は参加せず、地盤やカバンを持たない一年生議員中心らしいが、民主、自民に次ぐ衆議院第三党である。立派なもの。
消費税増税賛成の大合唱を行ってきたマスコミは当然ながらこの新党に批判的。ただ、予想より大所帯だったようで、歯切れは悪いが。
ともあれ、新党には、年末まで政党助成金は入ってこない。しかも、選挙では、民主党の一大支援組織である労働組合からの支援は期待できない。政権交代フィーバーだけで当選した候補は軒並み落選間違いなしだろう。従って、お先真っ暗な新党結成という解説だらけ。権力抗争どん詰まりの小沢派追い出され劇といった論調がほとんどである。それに、世論調査結果も新党結成に否定的ということで、まさに四面楚歌状態。

まあ、そりゃそうである。主張が様変わりしており、小沢路線がよくわからないからだ。・・・かつては、普通の国の安全保障姿勢に転換すべきだとし、規制を撤廃して自己責任社会への道を歩もうとの自由貿易論者だったが、今や、そんな風情はどこにも見当たらない。変わらないのは、不透明な資金集め。まあ、カネなくしてはまともに選挙で戦えないのはわかりきった話で、奇麗事を語ったところでたいした意味はないが、嫌われるタイプであることは間違いない。

そんな状況でも、政局報道で食べているマスコミは、第三極としてミニ政党を結集する可能性を騒ぎ立て、離合集散の報道に忙しい。バラバラな寄せ集め政党ができると、報道ネタが仰山あって嬉しいので、提灯持ちになれないかチャンスを探っている訳でもないと思うが。
小生は、この先、その手の結集の試みは生まれないと見ている。なにせ、政党再編をもう何回も仕掛けてきたが、その手は上手くいった試しがないからだ。
おそらく、それぞれの地域での選挙を勝ち抜く力のある議員による緩い結束の党を目指すことになろう。綱領を避け、党議拘束もせず、時々の課題が一致すれば、どんな勢力とも局所的協力という方向に進む算段では。

そんな気がしたのは、この新党、あなどれないとの意見を読んだから。
組織が違うそうだ。「打って一丸」、「頭より先に体」、「常識人ならためらうことも直ちに実践」という風土らしい。確かに、古い組織に担がれたお神輿に乗るだけの、家業政治屋や労働組合の天下りだらけの世界では異質。
マスコミ揃っての沈没新党キャンペーンのさなかで参加した人達だから、思うところがあるのは間違いなさそう。マスコミ依存のミニ政党の議員とは相当違うのは確か。そういう点では沈没というより、チャンスに賭けたと見るべきかも。なにせ、民主党の政党支持率はすでに6.7%まで下落しているのだから。自民・公明合算が15.6%だから、二者択一勝負では、党に残っていたらまず間違いなく落選。それよりは、無党派71.4%の掘り起こしに賭けた方が勝ち目はありそう。
かつて、山を動かした気になった女性代議士を見習って、女性パワー炸裂作戦でいく手もあるだろうし。

民主主義がいかに高価につくか、思い知らされてくれるかも。そんなことをしていて、この国の経済が持つのかは定かではないが。
安価ということで、独裁政治をやられたのではたまらぬから、我慢するしかない訳である。

(記事)
小沢氏の新党「期待しない」79%…読売調査 2012年6月29日07時33分 読売新聞
小沢新党「広がらない」=米倉経団連会長 2012年 7月 9日 19:06 JST[時事通信社]ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
小沢新党「国政に影響ない」=長谷川同友会代表幹事 2012年 7月 12日 21:06 JST[時事通信社]ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
「国民の生活が第一」所属議員と役職一覧 2012年7月12日10時14分 読売新聞
四面楚歌で船出した「小沢新党」があなどれない理由 田中秀征 政権ウォッチ ダイヤモンドオンライン
無党派、最高の71%=時事世論調査 2012年7月13日掲載
(国民の生活が第一党女性議員)青木愛〈2〉(東京12)【広報委員長】、岡本英子(神奈川3)、笠原多見子(比例東海)、京野公子(秋田3)、中野渡詔子(比例東北)、三宅雪子(比例北関東)英氏孫、小宮山泰子〈3〉(埼玉7)【組織・団体委員長】、森裕子《2》(新潟)【参院幹事長】、谷亮子(比例)、はたともこ(比例)、姫井由美子(岡山)
(当サイト過去記載) 面白政局解説でもしてみるか(20120704)


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